内容説明
さわやか流とも泥沼流とも呼ばれた棋士、米長邦雄。生涯をかけた一局、五十歳名人を成し遂げた秘密など、本人が縦横無尽に読者に語りかける。そして、羽生が谷川が米長将棋の魅力に迫る、全編書き下ろし充実の一冊。
目次
米長邦雄ベスト自戦記―生涯をかけた一局(米長邦雄)
特別書き下ろし―若者を語る(米長邦雄)
思い出の一局
米長邦雄小伝―米長邦雄の魅力(福本和生)
弟子が語る米長邦雄
米長将棋の大分析―永遠に健在(佐藤康光)
著者等紹介
米長邦雄[ヨネナガクニオ]
昭和18年6月10日、山梨県増穂町の生まれ。奨励会初等科から31年、6級で(故)佐瀬勇次名誉九段門。38年春四段、46年八段、54年4月九段、60年「永世棋聖」の称号を受けた。平成6年、特別将棋栄誉賞(千勝達成)。15年6月30日、千百勝達成。11年12月、東京都教育委員に就任。15年5月から日本将棋連盟専務理事を務める。15年11月、紫綬褒章を受章
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感想・レビュー
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tulip
2
自分の力で得た金でないから、絶対に貯めるなどしてはいけない。パーッと使ってしまえ2015/12/29
てり
1
米長永世棋聖の引退を機に発行された本書。写真もふんだんにあり、棋譜解説では執筆者がとても豪華で”らしい”一冊。現在の将棋界ではこのようなアクのある、清濁あわせ持ったようなすごい人はもういないが、これも時代だろうか。49歳で名人獲得の原動力となった「米長道場」のことにも触れられているが、ふと無冠になった羽生九段のことが頭をよぎる。ベテランになっても勝ち続けるには、何か新しいことに挑戦する姿勢が必要なのかなと思った。2019/03/15
kinaba
1
☆ よかった。下の世代からの追い上げと激闘が、歴代のライバルからの寄稿と自戦記によって語られる引退記念の回想録。一局一局そのものでなく、取り上げた将棋を通じて米長の思想を語ろうと試みる棋譜解説はどれも名文。負け将棋からすらもそれを語るところが、いかにも、らしい。特に引退直前の最後の3戦の「ありがとう」、見事な幕引き。2016/01/12
根室
1
米長棋聖が引退して、いままで御苦労さまという本。棋聖の名局や妙手の紹介も良かったけど、若いころの話がもっと多ければなお面白かった。写真多め。伊藤果五段の師匠との思い出話が面白い。2012/09/20