内容説明
定家の言霊と鎌倉幕府の結界線。百人一首に一石を投じる怪作!全100首の基本情報を掲載しているので楽しみながら百人一首を学習できる。結界線の引き方をレクチャーしているので張られた結界を探して検証できる。
目次
はじめに 藤原定家はなぜ『小倉百人一首』を編纂したのか?
第1章 百人一首の編纂の謎
第2章 天智天皇の歌が1首目に配置された謎
第3章 六歌仙・三十六歌仙の謎
第4章 百人一首のからくり
第5章 人物一覧表から見る百人一首
第6章 鎌倉幕府が引いた怨霊封じの結界線
おわりに 百人一首と後鳥羽院の怨霊封じの謎の考察を終えて
著者等紹介
小崎良伸[コザキヨシノブ]
昭和25年(1950)、熊本県に生まれる。同志社大学法学部を卒業後、熊本県立高等学校社会科教諭、文科省研修生、県教育委員会指導主事を経て、熊本県立天草養護学校長・矢部高等学校長・湧心館高等学校長などを歴任。平成23年(2011)に退職。現在は解〓館(かいとうかん)文化教育研究所館主。2012年~2014年に東海大学非常勤講師、2013年~2019年に熊本大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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福ノ杜きつね
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御霊信仰を軸に、小倉百人一首に仕組まれた意図を読み解いていく労作。歴史学に民俗学の視点を持ち込むのは『逆説の日本史』でも示されたアプローチ。様々な証拠を挙げ、小倉百人一首が「配流された後鳥羽院の怨霊化対策」として編纂された歌集であることを指摘する。選定された歌人の多くが不遇な晩年を送っていたり、ままならぬ現実を嘆くような歌が大半を占めていたり。他にも後鳥羽院の流刑地である隠岐にかけた歌の頻出、配置の妙など、明らかに深い意図をもって構成されていることが実感でき、説得力に満ちている。2025/03/11
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