内容説明
E・H・カー、ヘーゲルなど「知の巨人」をぶった斬り、危機の時代に「闘った記憶」こそ日本人の誇りだ。ケンカ上等の人気ユーチューバー・政治学者のデビュー作、20年ぶり復刊!戦争は「悪」か、平和は「善」か。
目次
序章 戦後という時代
第1章 取り戻すべき歴史哲学
第2章 民族共同体としての国家
第3章 西郷隆盛と日本の近代
第4章 特攻隊と大東亜戦争
終章 民族の記憶―日本人の歴史哲学
著者等紹介
岩田温[イワタアツシ]
1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院修士課程修了。大和大学准教授などを経て、現在、一般社団法人日本学術機構代表理事。専攻は政治哲学。ユーチューブで「岩田温チャンネル」を配信中。産経新聞や夕刊フジに定期的にコラムを寄稿している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
63
歴史、特に一国の歴史をどのように捉え、継承していかなければならないのかを、明治の西郷隆盛、昭和の大東亜戦争の特別攻撃隊員の胸に萌した想いを深く掘り下げ示した。本書は著者が大学生の折に執筆し、昨年の著者大病からの奇跡的な復活に際して認めた遺書で復刊を望んだもの。国民国家こそが国際政治における基本単位であり、国家を国家たらしめる国民の歴史を、我がこととして捉える覚悟を持つことで、人は国民になるという。国家とは単なる同時代の水平的共同体であるのみならず、時間を超えた垂直的共同体でもある、という指摘は胸に刺さる。2024/08/11
佐々陽太朗(K.Tsubota)
51
大東亜戦争において、戦ったとしても勝ち目が見えない戦争に日本はなぜ突入したのか。また負けが確定した最終局面において、なぜ特攻という挙にでたのか。特攻隊に志願した者たちはなぜ志願し散華していったのか。それは決して狂信や洗脳による所作などではなく、よくよく考えそうすべきとの結論に至ったうえでの行動であった。そこには日本人が営々と培った歴史哲学があった。岩田氏は日本人乗れきり哲学をを西郷隆盛、特攻隊の所為のなかに時空を超えて一つにつなぐものとして見いだす。2024/08/29