内容説明
極東国際軍事裁判(東京裁判)判事団の中で誰よりも日本を探訪し友を作り、日本人を理解しようとしたベルト・レーリンク。2年9カ月の東京滞在で綴った日記と70通の書簡から見えてくる「戦争犯罪とは何か」―。
目次
はじめに―レーリンクの優しさと強さ
ナチスと結託した「敵国」へ(一九四六年)
驚きの国ニッポン(一九四六年)
異国で出会う友人たち(一九四六年)
裁判開廷(一九四六年)
判事たちの対立(一九四六年)
日本滞在がもたらす影響(一九四六年)
葛藤の日々(一九四六年)
法と政治の狭間(一九四六~四七年)
心の救い(一九四八年)
さよなら東京(一九四八年)
判決その後
著者等紹介
三井美奈[ミツイミナ]
産経新聞パリ支局長。1967年、奈良県生まれ。一橋大学社会学部卒。読売新聞エルサレム支局長、パリ支局長などを歴任。2016年、産経新聞に入社。外信部編集委員を経て、17年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紙狸
16
2021年刊行。月刊誌「正論」連載に加筆修正した。著者は産経新聞記者。資料的に貴重な仕事だ。東京裁判の判事の1人だったオランダのベルト・レーリンク氏の日記・書簡・意見書を紹介している。レーリングの3男が父の記録を活字化(オランダ語)していた。この3男が英訳してくれたので、日本語訳ができたという。レーリンク氏は、裁判・判決を巡る、判事たちの間の意見の相違を記録していた。レーリンク氏は多数意見に加わらず、少数意見を書いた。「平和に対する罪」での死刑には反対。残虐行為を問う通常の戦争犯罪には厳しかった。2024/07/20
くらーく
5
インド判事のパル氏に隠れてしまっているが、レーリンク判事も反対意見を文書で提出していたのだったな。本書を読むと、東京裁判に係わった司法関係者(検事、弁護士、判事)の中で、素直に結果を受け入れた人がどれだけいたのだろうかねえ。事後法、原爆、不作為。。。第二次世界大戦後の東京裁判(ニュルンベルクもかな)で、少なくとも先進国では、戦争が出来なくなった一因になるのだろうかね。核の力も大きいけど、敗戦したら、後付けの理由で死刑だものねえ。 確か、東京裁判のドラマや映画があったから、見直してみようっと。2022/01/29
porisan
5
東京裁判でオランダ代表の判事として来日し、独自の判決を出した4人の内の1人ベルト•レーリンク判事のお話。 思っていた内容と違い、彼の妻や知人に宛てた手紙や日記を基に東京裁判や判事団、検事団、弁護団等にたいして、どう思い、どう考え、どう感じたか。 そしてそれから、どう考えが変化して独自の判決を導き出したかを描いた作品でした。 彼は以前読んだインドのパル判事と違い東京裁判そのものを否定し被告全員を無罪としたのと違い、被告25人のうち3人を無罪としています。 東京裁判、もう少し勉強してみたいと思います。2022/01/02
らま(羅眞)
0
内容とは関係ないんだけど、何で単に日本人と言う意味でしか使ってないだろう箇所もジャップって訳してるんだろう。蔑称とされてる単語を使う理由とは…?2021/12/16
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