内容説明
ノーベル受賞者たちは日本的感覚の持ち主だ。全国紙すべてが報じたノーベル賞候補で、77歳現役科学者が初めて語る日本人論と発想法。
目次
第1章 創造性を引き出す
第2章 日本人は論理的でなくていい
第3章 日本人のフィーリングを活かす
第4章 ブレイク・スルーのために
第5章 創造性の履歴書
第6章 ノーベル賞級の先生たち
第7章 日本型破壊的イノベーションを
第8章 平均点社会からイノベーションは生まれない
著者等紹介
山本尚[ヤマモトヒサシ]
1943年、兵庫県生まれ。中部大学先端研究センター長、分子性触媒研究センター長、教授。名古屋大学特別教授、シカゴ大学名誉教授。京都大学工学部工業化学科卒業。ハーバード大学大学院化学科博士課程修了。東レ基礎研究所に10カ月勤務したのち、京都大学工学部助手。その後、ハワイ大学准教授、名古屋大学助教授・教授、シカゴ大学教授などを歴任し、2011年に中部大学教授に就任。元日本化学会会長。2017年に有機化学で最も権威ある「ロジャー・アダムス賞」受賞。2018年に瑞宝中綬章、文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zoe
15
2020年。日本を愛する教授による苦言・提言。日本人は所作を繰り返し、自分でその心を知るようなトレーニングが向いているようである。内向的な文化は、時に行動を起こすことを躊躇させる。一歩出遅れることが、負けてしまうということがある。静かによく考える。他人の思考の影響を最小限にするために、読んだ雑誌は廃棄する。誰でも分かりやすく一行で説明する。ハイルマイヤーの質問に答える。上田良二博士の4象限模式図。課題は立方体で考える。2024/10/23
まゆまゆ
10
御年77歳でもなお現役で研究を続ける筆者による日本人論と自身の半生を綴る内容。日本人は内向的で感覚で受け止めフィーリングで対処する。なぜコロナ禍で自粛できるのか、の説は興味深い。答えの出ない事態に耐える精神力を持て。平均点だらけの人間からはイノベーションは生まれない。尖った名物教授がいなくなったと嘆く一面も。自伝部分も含め非常に興味深く読めた。2021/01/13
もりの
6
著者のことを知らなかったので、よくわからない人が持論を展開しているだけのように思えて、入ってこなかった。これを書いているのが、尊敬している作家さんだったらまた受け取り方も別かと思うと、まさに論理的じゃない行動。フィーリングって大事ですね。2021/08/14
たけひろ
4
筆者が研究生活の中で経験したエピソードは、研究に限らず、会社の人間関係を考える上でも役立ちそうな興味深いものが多かった。タイトルの「日本人は論理的でなくていい」については、前半部分には当てはまるものの、後半は海外と比較して日本の大学の問題点を述べていて、ちょっと主張がぶれている気がした。2020/12/31
Ukyoaki
3
良書と判断.人に投資しない国はだめだと思うが,かなり手遅れ状態か.政治屋や役人では解決できない.個人的には,天才の出現を待ちわびている.2023/02/24