内容説明
右往左往するなかれ。危機には古典だ。国家、日本、死。東北アジアを知り尽くす碩学が半可通を一刀両断。
目次
序章 コロナ禍に
第1章 日本文化の深層
第2章 国民国家とは
第3章 “不平不満老人”社会
第4章 権威とは
第5章 建前の浅はかさ
第6章 まっすぐに見よ
第7章 日本人が語り継ぐべきもの
第8章 日本の教育は
附篇 日本人の死生観
著者等紹介
加地伸行[カジノブユキ]
昭和35年、京都大学文学部卒業。高野山大学・名古屋大学・大阪大学・同志社大学・立命館大学を歴任。現在、大阪大学名誉教授。文学博士。中国哲学史・中国古典学専攻。84歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やじ
18
タイトル買いだったが実に良い本でした。渋沢栄一「論語と算盤」と同様に「自分の考えをただ主張するのではなく、古典を拠り所にして、その主張の締めとして該当する古典のことばを引用して記す」もので読者は「引用された古典の文章と出会え」る。「かつての知識人はこういう文章作法を心得ており絶えず実践していた」戦前の教育に今のチーパッパな教育が敵う訳ない、というか足元にも及ばぬな。加地先生の主張はどれも痛快であり、日本政府が実施してほしい内容が沢山。コロナ禍への苦言が序章にあります。コメントに目次書きます。おすすめ!2021/04/18
可不可
2
儒学者・加地伸行氏の時事コラムを集成し、一部加筆したもの。加地氏の論調は小気味が良いので、ついつい読んでしまう。ぼくは自分なりに興味があったところに付箋を貼って読んでいるが、この本は20枚程度なので、さほど多くありません。付箋の一例をあげると、日本の火葬は本当の意味の火葬ではなく、遺体処理のために火葬であること。そして、遺骨を土葬するという意味で、本質は「土葬」であるという指摘。ここに儒教の伝統が生きているそうだ。2021/03/22
シロマック
1
渋沢栄一の「論語と算盤で無く「加地伸行の論語と現代社会」だった。算盤のことは殆ど無くて中国古典、儒教思想から見た現代社会の評価だった。内容的にはまさにその通り。昭和、平成を必死で戦い貫いてきて今世間を俯瞰できる立場にいる我々にとってまさに同感な意見が多く胸のすく思いがする。中でも「英語で式辞の東大総長の愚」には同感。東大総長ならアメリカばっかり見てないでもっと広い治験を持って論語くらいは読めよ。こんな大学だからろくでもない東大出官僚とそれにあやつられる駄目政治家だから政治が貧困になってしまったのだ。 2021/06/08
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- 両性具有の美 新潮文庫