内容説明
憲政史上、最長の政権と万年野党の理由は何か。背景には、野党のていたらくだけでなく、選挙制度の欠陥による自公連立の20年がある。90年代、現在の選挙制度を生みだした張本人が、300冊の克明な手帳に基づきすべてを語る。
目次
「九九年体制」二十年と政治の劣化―はじめに
第1章 創価学会という禁じ手
第2章 現代のタブー「P献金」を追及
第3章 金にまみれた中選挙区時代
第4章 選挙制度改革の旗手として
第5章 そして「ルビコン川」を渡った
第6章 「完全小選挙区制」改革案
むすびに―灼熱のダッカそして宗教と政治
著者等紹介
石井一[イシイハジメ]
元自治大臣。1934(昭和9)年、神戸市須磨区生まれ。甲南大学経済学部卒業。米スタンフォード大学大学院修了(政治学修士)。国際公務員を経て69年、35歳で衆議院初当選。田中角栄元総理の側近の一人として「田中軍団の青年将校」と呼ばれる。衆議院議員11期、参議院議員1期の44年間、国政に参画。77年、ダッカハイジャック事件政府派遣団長。89(平成元)年、海部俊樹内閣で国務大臣・国土庁長官。92年、自民党選挙制度部会長。93年、細川護煕内閣で衆議院政治改革特別委員長、政治改革関連4法を成立させる。94年、羽田孜内閣で自治大臣兼国家公安委員長、小選挙区の区割り画定を統括。2014年、旭日大綬章。17年、一般社団法人日本ジャズ音楽協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Eiki Natori
2
私は一貫して今の政治をおかしくしたのは、小選挙区と政党助成金だと思っているし、あれを「政治改革」と持ち上げていたマスコミや学者は今でも忘れない。久米や筑紫も同罪だと思っている。 石井一はまざに宮沢嘘つき辞職事件や経世会そして自民党分裂の当事者であり、当時の様子を克明に書かれている。 実は「小選挙区」を進めた小沢一郎があまり会議には出ていなかったという事実や、野中広務との確執、今の選挙制度を利用した自公の手口など事細かに書かれた本である。 この本を読んでも、私は小選挙区を一刻も早く無くすべきだと思っている。2020/03/07