内容説明
譲位、皇位継承、皇族方の御結婚、天皇陵の調査問題…皇室にまつわる法と常識を徹底解説。明治天皇の玄孫が憲法学的な視点から皇室を論じる。
目次
序章 令和の天皇像と皇室の重要課題
第1章 条文の深意は行間にあり
第2章 憲法第一条の重み
第3章 皇室制度と男系維持
第4章 翻弄される皇室
第5章 新元号と日本再生
資料編
著者等紹介
竹田恒泰[タケダツネヤス]
作家。昭和50年(1975)、旧皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄孫。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。専門は憲法学・史学。平成26年(2014)3月まで慶應義塾大学法学研究科講師も務めた。平成18年(2006)に著書『語られなかった皇族たちの真実』(小学館)で第15回山本七平賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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それいゆ
27
安倍首相の辞任が発表され、次の自民党総裁は誰になるか注目が集まっている中、最近河野太郎防衛大臣が述べた女系天皇容認が話題になっています。青山繁晴なんかは、このことだけで河野太郎を次期総理には絶対にできないと言います。皇室の歴史の中で、一般男性が皇族に入った例はありません。男系による皇位継承の維持、これが伝統であり原理であるという竹田さんの説明に納得です。女子差別だというレベルで論じる性質のものではありません。安倍首相のいうとおり、「国民の支持を得て現在に至るもの」だということがよく分かりました。2020/08/30
謙信公
11
皇室にまつわる法と常識を憲法学的な視点で論じる。今回の譲位で皇室制度は大幅に捻じ曲げられた。私が一番腑に落ちなかったのは、「太上天皇」とせず「上皇」という略称が正式名称にされたこと。二千年継承された伝統に大切なのは「何を変えないか」だろう。日本の憲法学界は天皇を元首とは認めないが、国家である以上、元首不在はあり得ない。現行憲法に元首規定は無いが、天皇は昔から「象徴」であり「元首」であった。『昭和天皇実録』は宮内庁が昭和天皇の心情や肉声を歴史に刻む努力をしたとは到底思えない。わが国の国史編纂事業は大丈夫か?2024/02/07
dai267712
4
竹田先生による天皇論。旧皇族ならではの詳しい見識に大変勉強になりました。皇室にたいする敬語の使い方や、皇族方の敬称などもきっちりしていて大変読み易かったです。私が一番良かったと思ったのが、孝明天皇の「譲位の内勅」です。以前、筆者の動画チャンネルで知って、著者にしてほしいと思ってました。文字起こしされた「譲位の内勅」を読むと孝明天皇の苦悩と絶望が良くわかりました。憲法による天皇の解釈や皇室典範など、知らない事がたくさんあって勉強になりました。オススメしたい一冊ですね。2019/12/12