内容説明
『貞明皇后実録』の草稿や編纂資料など、宮内庁が所蔵していた多くの未公刊資料の開示を得て、明治、大正、昭和の3代にわたる激動の時代を生きた「孤高の国母」に新たな光を当てる大河ノンフィクション。
目次
九条の黒姫
運命の歯車
試練の日々
揺れる想い
皇后への道
即位と変政
天皇発病
皇后の涙
天皇崩御
母子対立
軍靴の響き
夜明け前
著者等紹介
川瀬弘至[カワセヒロユキ]
産経新聞東京本社社会部編集委員。昭和43(1968)年、神奈川県生まれ。平成6(1994)年、産経新聞社入社。主に社会部に所属、文部科学省担当として歴史教科書問題などを取材する。19~25年、産経新聞社発行の月刊誌『正論』編集部(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なにょう
13
頑張って読んだ。大正帝は、愚鈍ではなかった。されど、天皇の職責は帝自身の健康を蝕む。それを、皇后は、皇子を4人も産んで、女帝のようだと陰口を叩かれながらも、必死に支えたのではなかったか。何事も今まで続いている事柄は、何かしら意義やらあって、誰かが必死に守ってきたのだ。★天皇や皇后さんの一生は「実録」という書物にまとめられるけど、膨大だし、まず読むチャンスは無かろう。本書は、新聞社の総力をあげて、「実録」を中心にさまざまな資料を読みとき、我々読者に貞明皇后の実像を紹介する。2022/05/14
透子
2
たくさんの資料にあたって書かれた大正天皇の妃、貞明皇后の一代記。健康であるという理由からお妃に選ばれ、明治大正昭和の激動の時代を数々の苦労と苦難に見舞われつつも、皇族として毅然と在り続けた様子が書かれている。誰のでもそうだけど、一代記を読むと、運命という言葉を感じずにいられない気持ちになる。2019/01/03
はちがみっつ
1
大正天皇皇后。昭和天皇の母。 ほとんど話が表に出て来なかったが、読んでみれば、明治皇后よりも更に波瀾万丈な人生。 農家に里子に出され、婚約破棄からの突然の妃指名。嫁いだ後も苦労が絶えず、皇后より皇太后時代の方が長く、活動も多岐にわたる。 表には現れないこのような活動が、今の皇室を守ったのだと思うと、胸が熱くなる。 2019/11/28
ekoeko
1
側室制度を廃止し、近代皇室制度の確立に尽くした貞明皇后の66年の人生。思ったことを何でも口にし行動する皇太子の軽率さに悩む姿が気の毒なような気もする。2019/04/20