内容説明
中国のデッドラインを簡単に超えたトランプ。彼は中国幻想という米国伝統の病を持たない。中国もその生死をかけて一歩も引けない理由がある。アジア覇権をめぐり米中は衝突する。だからこそ日本が危険なのだ。
目次
序章 攻守を逆転させたトランプ
第1章 アメリカの中国幻想 清朝‐国共内戦
第2章 騙され続けたアメリカ 毛沢東‐胡錦涛
第3章 本性を剥き出しにした中華帝国 〓(とう)小平‐習近平
第4章 アメリカ帝国の逆襲―習近平vs.オバマ
第5章 米中衝突で日本が危ない トランプvs.習近平
著者等紹介
石平[セキヘイ]
拓殖大学客員教授。1962年、中国四川省成都市生まれ。80年、北京大学哲学部に入学後、中国民主化運動に傾倒。84年、同大学を卒業後、四川大学講師を経て、88年に来日。95年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程を修了し、民間研究機関に勤務。2002年より執筆活動に入り、07年に日本国籍を取得。14年『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP新書)で第23回山本七平賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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謙信公
10
米国には「中国が民主化し、国際秩序を守るよい国になる」という伝統的な中国幻想があるようだ。朝鮮戦争でようやく本性を知るが、鄧小平は「韜光養晦」戦略で米国や日本を利用して経済発展させた。我慢をやめた習近平は「中華民族の偉大なる復興」理念のもと、覇権国家へと突き進んでいる。アジアの一国支配を許さない米国とは必然的に衝突する。中国に対して全く幻想を持たないトランプは、国交正常化以来タブーとされてきた台湾問題に踏み込み、北朝鮮とは直接会話、貿易戦争と遠慮がない。習近平は戦略的混乱、無為無策に陥っているのが現状か?2020/07/31
Lila Eule
9
北朝鮮問題は、米中冷戦の先端と言う事か。米国は中国に民主化の幻想を持ち続けてきた為に幾度も中国に騙されたそうだ。今の中国は、中華思想と共産党独裁全体主義が一体となり、始皇帝の時代から繰り返されてきた周辺国制圧、朝貢体制づくりで自身の権力基盤を維持した王朝の行動と同じ思考と。トランプの繰り出す手は、中国に照準があって、台湾も北朝鮮もその戦端として取り組まれていて、トランプにはもはや中国への幻想はないと。米中衝突、アジア戦乱は必至で、起点は、中国共産党の中華帝国主義に。軍事行動の背後がよめた気がする。2017/05/03
ポンさん
2
米中の歴史において、両者のスタンス ー中国の「中華秩序の再建」VS 米国の「アジア太平洋地域の独占禁止」ー が全くブレていないことに驚いた。そのブレのなさが、タイトル通り、米中衝突が「歴史の必然である」ことを証明している。 連日ニュースになっている貿易戦争を見てもトランプは今後もやってくれそう。 ただ日本も、尖閣諸島や沖縄分断工作(?)の問題を抱えており、両国の衝突が飛び火する可能性が大いにあるとのこと。 そういった情勢を踏まえると、米軍基地の維持はもちろん、憲法改正は必須だけど、安倍さんなら大丈夫かな。2019/05/29
風見じじい
1
鄧小平の野心を隠して周囲を油断させて力を蓄える政策からそれを脱ぎ捨てた習近平の中国の本心を明らかにした政策が周囲に警戒心を掻き立て、アメリカが敵対的になってきたことをわかりやすく書いています。2018/11/01
terry
1
中国出身の石平さんだけに中国の歴史分析に説得力がある。長期構想で動く中国、日本も100年後を見据えたビジョンが必要と危機感を覚える。2017/06/20