内容説明
政界の大御所から、将来の国のあり方を考えて欲しいといわれた甲斐孝輔。改憲も必要だが、国民がいなくなったのでは国がもたない。早急に打開策を見出さなければならないのは少子化なのだ…。もう時間がない!無関心でいいのか!!若い官僚や政治家と組んで勉強会を立ち上げた甲斐孝輔は、オリンピック選手村の子育て住宅への転用、大規模オンライン講座MOOCの活用、第二新卒構想…と政策を練り上げるが、党の重鎮からは「若造が何を」と横やりが。急がば回れ、甲斐孝輔は東京都知事に圧力をかける…。
著者等紹介
楡周平[ニレシュウヘイ]
1957年10月生まれ。慶應義塾大学大学院修了。米国系企業コダックに入社し、物流プロジェクトなどを手がけた。1996年、在職中に犯罪小説『Cの福音』(宝島社)でデビュー。その後、小説執筆に専念するために退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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それいゆ
80
小説というよりは、現在の日本とわが国を取り巻く情勢の解説書であり、これからの国家戦略の提言書でした。教科書を読まされているような気分になり、感情移入までして読む価値はないのかなと思いましたが、現在わが国が抱える問題が網羅されており、勉強させてもらいました。2014/08/08
ゆみねこ
68
与党の二世若手議員が党の重鎮から日本の未来を託される。少子高齢化、介護問題、近隣のあの大国…。うーん、訴えたいことは分かるのだけれど、読んでいるうちにだんだん疲れてしまって、後半はナナメ読みになってしまいました。残念!2017/06/21
すこにゃん
57
日本の現状をこれでもかと冷徹に指摘する政治小説。登場人物と団体は全てフィクションだけど主人公のモデルはあの青年二世代議士かな。日本の人口は2004年をピークに落下するジェットコースターの如く100年以上激減し4000万人以下になる。加えて1000兆円以上に膨大した債務。ハイパーインフレはいつ来るのか。経済破綻はいつ宣言されるのか。中国はバブルが破綻する前に本当に尖閣を奪いにくるのか。恐ろしさに震えるが現実。政治で変えられるのだろうか。自分に何ができるのか。産經新聞にこんな小説が連載されていたなんて。2014/10/23
Miyoshi Hirotaka
49
私の父方は5人、母方は7人兄弟と多産だが、私の世代は子供2人が多数派。高度経済成長期に子育てをした夫婦は、少産へと舵を切った。おかげで高コストの教育を乗り越えたが、人口の配当を使い尽くす時期は近づいている。国家の三要素は領土、国民、主権。その要素の一つが減少することは国家存亡の危機。移民の受け入れを安易に主張する人がいるが、仮面ライダーを含め、脳だけが人間のショッカーの怪人は果たして人間といえるだろうか?私たちは少子化問題を考えるとき、経済面だけではなく、日本人とは何かという問いにも向き合う必要がある。2015/10/17
キムチ
34
評論を展開する甲斐氏。彼を取り巻く人脈は多彩、盛んに応酬する日々の会話が延々と続く。テーマは超高齢社会、少子人口減、雇用問題から東京オリンピックの開催など多岐多様。確かに何れも近未来、困難化が予測され現時点でも憂えるテーマだが、余りにも総花。最初は丁寧に読んで行ったが、同じような会話が何度も出てくるのでじりじりしてきた。云うは易く行うは難し。評論家だけでは世の中は解決できない事だらけ。楡氏の気持ちはよく解るし、私もいいたい・・がせめてこの3分の一で濃縮してのメッセの方が理にかなっている気がする。2014/10/17