内容説明
東大合格者の英語の語彙数はそれほど多くない。重箱の隅をつつくような問題も少ない。では、東大は受験生に何を問うているのか？入試問題を読み解くと、受験生に共通する課題が見えてきた。
目次
第１章 東大入試問題の面白さ
第２章 東大入試問題の主張
第３章 東大入試問題が求める受験生
第４章 東大に入るための思考法
第５章 東大生が育つ家庭とは
第６章 東大が望む人材像
著者等紹介
大島保彦［オオシマヤスヒコ］
１９５５年、群馬県生まれ。駿台予備学校英語科専任講師。東京大学文学部哲学科卒業、東京大学大学院博士課程（比較文学比較文化）満期退学。１９８４年から駿台の教壇に立つ。英語を３０年近くにわたって担当。千葉大学、東海大学などで哲学、倫理学、文明論、ドイツ語などの非常勤講師も兼務した（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
獺祭魚の食客@鯨鯢
57
日本最難関大学と言われ続ける大学の入試問題は本当に難しいのか。著者は英語の問題に出てくる英単語は決して難しくなく、早慶に出てくるような難解な単語は使われないそうです。 知っているかいないか(インプット量の多寡)で選別するのではなく、総合的な思考力(アウトプット力)があるかどうかを試しているようです。 共通試験の記述式問題の是非が騒がれていますが、経済学で使う簡単な数学さえわからない者がいるという現状を前に、関係者は学力の考査方法のあり方について危機感を持つべきでしょう。2020/01/10
まつこ
19
少し前に読んだため忘れた内容もあるが、覚えてることで言えば、東大の英語問題は単語がやさしい。やさしいと言っても早慶と比べてということだけれども。むしろ内容を把握する力が重視される。問題を見た限り確かに読めるけど、意味が分からない文が多い。日本語訳を読んでも理解し難い文章があった。東大が求めるのは総合力ということがよくわかった。2013/08/03
Flac
6
先生に勧められて読んだ。 「目的思考型とネットワーク型」「虫の目鳥の目」の項が参考になりました。これから先、目的を達成するために勉強することはもちろん必要だと感じるが、動機に「楽しい」ということがないと続かないと思う。どの教科も興味を持って接すれば面白みが見えると思うしそれが学問なのだなと。知識を繋げるような勉強をしていきたい。好奇心を忘れずに。 2016/01/24
たか
6
著者が英語科講師だからしょうがないんだろうけど取り上げられている問題はほとんどが英語。あと数学と歴史がすこし。古文や地理なんかもあったほうがいいかも。2013/06/17
keepfine
2
入試問題に表れるのは科学技術の位置づけや知的権威低下への危機感。数学の論証に不可欠な場合分け、英文読解の省略に気づく力などもしかり。東大生が育つ家庭では、リベラルアーツの萌芽がみられる。たとえば、「子供は親の背中を見て育つ」。親自身が夢中になっていることを生活の中で自然に見せることは、子供が夢中になれることを発見する事につながる。家庭の中に「知的な世界」が当たり前にあること。これを学ぶことが普遍的な学力につながっていく…ということを意識する空気が家庭の中にあること。2020/06/05
