内容説明
「敵に退去の兆候あり」広東軍参謀辻政信少佐による誤った情報に、多大な犠牲を強いられた日本軍。戦闘で勝ち、戦略で負けたとされるノモンハン事件の真実を、日ソ双方の資料を基に暴いてみせる。日本軍による史上初の連隊規模の戦車群での夜襲。弾薬が尽きて銃剣で敵戦車に立ち向かう日本軍兵士。新型戦車を投入して反撃に出るソ連軍。日ソ両軍の激闘の模様を余すことなく活写したノモンハン事件の決定版。
目次
プロローグ
地上戦編
航空機戦編
著者等紹介
古是三春[フルゼミツハル]
軍事評論家。1960年生まれ。主に旧共産圏諸国の軍事事情や兵器技術の解説記事を執筆している。あわせて北東アジアの安全保障問題について、中国その他での独自取材に基づき論じてきた。1980年代から日本共産党職員を勤めるが、最高幹部の不正を批判して追放された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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デューク
1
満州国とモンゴルの国境紛争でありながら、日ソ両軍の大規模な戦車戦となったノモンハン事変。1939年という、世界が戦争の時代へと向かう中の紛争。通説では日本の完敗であったが、豊富な史料から日本軍戦車隊の華々しい活躍と前半戦におけるソ連側の苦戦を描く。 結局はソ連軍の大規模かつ用意周到な反撃の前に、日本軍は壊滅する。そしてそこに至るまでの補給の軽視、自軍に対する根拠のない自信、精神論、司令部の不作為など、太平洋戦争にも通じる敗因が見て取れる。歴史に学ばなければ、人は過ちを繰り返す。そう感じさせてくれる一冊。2014/02/12
Tのひと
1
日ソ両方悲惨な状況であったがソ連の本気の準備に日本の壊滅的な準備が敗北したと。 あと日本戦車隊そのものは強力であったが機動力のある歩兵と砲兵をあてがわなかった上級司令部がアレであると。2013/03/24
兵衛介
1
日本ボロ負け説とも実は日本勝っていた説とも一線を画す実証的戦史。この戦争に関するまともな本は意外に類書が少ない。2010/04/04