内容説明
20歳前後の学生たちが無惨な戦いに散った。懐疑も苦悩も胸のうちに隠して…その記録がいま悲しくよみがえる。
目次
参戦
火線
激浪
混沌
望郷
暗雲
力戦
修羅
死闘
幽鬼
落日
著者等紹介
多田実[タダミノル]
大正12年10月、千葉県生まれ。昭和18年、中央大学予科を繰り上げ卒業。同年10月、海軍第三期兵科予備学生となる。翌19年4月、硫黄島に配属されたが6月末に被爆して7月、本州へ後送される。戦後復学して中央大学法学部を卒業。昭和24年、読売新聞社へ入社。政治部を経て、論説委員、政治部長、編集局次長、監査委員長などを歴任。昭和60年同社を退社、社友となる。二松学舎大学国際政経学部教授、中央大学法学部講師を勤めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うめけろ
5
これは本当に凄まじい記録でした。「硫黄島の戦い」という言葉を知っているだけで、詳細は何一つ知りませんでしたが、若き命が紙くずのように破り捨て去られていくさまは心臓を鷲掴みにされるかのごとく、読んでいて苦しいものでした。こういう若き戦士たちがいたからこそ、我々はのほほーんと平和を享受できているんですねぇ。日本人なら、こういう歴史があったことを、知っておいて損はないと思います。2013/12/06
紙狸
0
2009年の新装版。硫黄島の戦いは、1945年2月に米軍が上陸してからの経緯しか知りませんでした。著者は、学徒出陣して、硫黄島に配属となり、1944年6月に、米軍の空襲により負傷。本土に後送されました。硫黄島で戦死した将兵の手紙や、生き残った者の証言からこの本を編みました。2018/01/01
ノメ
0
硫黄島の海軍戦死者に多数の学徒兵がいたとは知らなかった。それにしても矢折れ刀尽きる戦いしかできなくなっている日本軍は悲惨としか言いようがない。2015/07/04