内容説明
建国より六十余年、奴隷制をめぐり米国議会に深刻な分断が生じる。鍵を握るのは、ときの大統領ミラード・フィルモア。当時の史料からよみとく日米蘭三つ巴の外交、内戦の危機を孕んだ米国憲政、知られざる大統領の信念と生涯。日本を開国させた「ペリーの来航」を、アメリカの外交と政治の現場から紐解く。
目次
知られざる大統領フィルモアと米国憲政
第1部 政治家フィルモアが大統領になるまで―一八〇〇‐一八五〇(米国建国の基礎「アメリカ合衆国憲法」の功罪;米国の発展拡大と東アジアへの関心;副大統領への道)
第2部 第十三代大統領ミラード・フィルモア―一八五〇・七‐一八五三・三(「一八五〇年の妥協」―連邦分裂の回避;カリフォルニア州連邦編入;日本へ遠征隊を派遣;二通の親書、二人の提督;日本をめぐるオランダとの外交;逃亡奴隷法と大統領選挙)
第3部 歴史に忘れられたフィルモアの晩節―一八五三‐一八七四(第十四代大統領ピアースの四年間;第十五代大統領ビュキャナンの四年間)
「最も偉大な大統領」リンカーンと「忘れられた」フィルモア
後日譚 フィルモアを忘れなかった明治政府「岩倉欧米使節団」
著者等紹介
大島正太郎[オオシマショウタロウ]
国際経済研究所理事長(2013年‐)。1943年東京生まれ。1968年外務省入省、本省及び在外公館(在タイ・イスラエル・米国・ロシア・サウジアラビア・韓国・大使館、在ジュネーブ政府代表部)勤務、2008年に退官。2008‐12年、世界貿易機関(WTO)上級委員会委員、2012‐13年、内閣官房内閣審議官。2008‐15年東京大学公共政策大学院客員教授。2009‐17年政策研究大学院大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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