内容説明
「帝国」の瓦解、権力交替により、帰還、強制移動、残留を余儀なくされた人たち。日本敗戦前後、社会の断層を生きた人々のさまざまな「引揚げ」と苦悩、それを規定した国際関係の変動にメスをいれる。
目次
近年の「引揚げ」研究の視点と本書の課題
第1部 日本帝国崩壊期の日米関係と「引揚げ」(在日朝鮮人の「帰国」―一九四五~四六年を中心として;日系アメリカ人と国外退去(deportation)―強制立退き・収容政策再考(一九四五~四六年)
パラオ諸島をめぐる民間人の「引揚げ」―第二次世界大戦中の兵站基地化から米軍占領下までを中心に)
第2部 「地域」と「引揚げ」の諸相(日本残留中国人―札幌華僑社会を築いた人たち;樺太からの日本人引揚げ(一九四五~四九年)―人口統計にみる
日本帝国圏への移民と引揚げ後の動向―愛媛県東宇和郡旧U村を事例として
一九四〇年代後半期大連営業者の職業「復帰」―東北アジアの社会変動の中の財界人没落)
補論 研究動向(韓国における朝鮮人「帰還」研究;日本人の引揚げに関する近年の研究動向)
著者等紹介
今泉裕美子[イマイズミユミコ]
1963年生まれ。津田塾大学国際関係学研究科国際関係学博士後期単位取得満期退学。法政大学国際文化学部・教授
柳沢遊[ヤナギサワアソブ]
1951年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。慶応義塾大学経済学部・教授
木村健二[キムラケンジ]
1950年生まれ。早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得満期退学。元下関市立大学・教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。