内容説明
東アジアの中華思想支配、「文」を中心とする伝統的な文明概念と近代西洋の文明理解との融合と齟齬による、明治日本のアジア進出と植民地統治を中心に描く。
目次
近代東アジアにおける“文明”概念の錯綜
1 明治期の文明理念の諸相(国家主義路線の文明観;反政府的文明言説の諸相)
2 膨張と文明化の欲望(アジアを文明化する使命感―志賀重昂と内藤湖南の国粋主義;植民地の文明化作業とその矛盾―後藤新平とその周辺;台湾人紳士の「文明」への対応―『漢文台湾日日新報』の記事を中心に)
3 帝国‐植民地体制における“文”の意識と“文明”認識の融合と拮抗(植民地台湾における“文”と“文明”の乖離―1900年「揚文会」を中心に;近代文体の形成における「伝統的」文体の変容―漢詩文の自己相対化と再生)
著者等紹介
許時嘉[キョジカ]
1978年、台湾台北市生まれ。名古屋大学大学院国際言語文化研究科博士課程修了。博士(文学)。現職、山形大学人文学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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