内容説明
ミンスキーの金融不安定性仮説を拡張・応用し、サブプライム危機など近年の金融危機に理論・実証の両面から迫る。ポスト・ケインズ派経済学の新たな地平。
目次
第1章 金融脆弱性の生成における安全性のゆとり幅と推論の重み
第2章 本当に「それ」はまた起こった―アジアにおけるミンスキー・クライシス
第3章 金融派生商品(デリバティブ)とグローバル資本フロー―アジアへの適用
第4章 われわれは安定的な国際金融環境を創出することができるか―発展途上国への純資源移転を保証するために
第5章 資本移動と国際不均衡―後発工業化発展途上国のキャッチアップの役割
第6章 アメリカのサブプライム・モーゲージ市場の分析―ミンスキーの安全性のゆとり幅を用いて
第7章 なぜ緊急援助は機能しないのか―新たな金融システムの設計か常態への復帰か
第8章 サブプライム危機は金融規制改革のためのミンスキー・モーメントか
著者等紹介
クレーゲル,ヤン・アレン[クレーゲル,ヤンアレン] [Kregel,Jan Allen]
1944年生まれ。バード大学リーヴィ経済研究所シニア・スカラー(2006年~)、エストニアのタリン工科大学教授(2006年~)、ミズーリ大学カンザスシティ校完全雇用・物価安定センター特別研究教授(2002年~)。多数の著書と200編を超える論文がある。ポスト・ケインズ派のアプローチにもとづく経済理論の研究において多くの業績をもつが、近年では国際経済・開発経済・EU経済の実証的分析にも精力的に取り組んでいる。2008年には、Association for Evolutionary Economicsからヴェブレン=コモンズ賞を受賞
横川信治[ヨコカワノブハル]
武蔵大学経済学部教授。1950年生まれ。東京大学大学院経済学研究科を経てケンブリッジ大学でPh.D.取得
鍋島直樹[ナベシマナオキ]
名古屋大学大学院経済学研究科教授。1963年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位修得退学。京都大学博士(経済学)
石倉雅男[イシクラマサオ]
一橋大学大学院経済学研究科教授。1959年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位修得退学。一橋大学博士(経済学)
横川太郎[ヨコカワタロウ]
東京経済大学経済学部専任講師。1983年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位修得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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