内容説明
戦間期や冷戦期の事例、台頭する中国とアジア諸国の反応などを考察し、従来の国際政治経済学や安全保障論の死角を照射するとともに、新たな分析の枠組みを提示する。
目次
序章 研究の目的と手法
第1章 経済安全保障とは何か
第2章 経済安全保障の8つの戦略
第3章 中国の経済安全保障―中国・ASEAN自由貿易協定と人民元エリア
第4章 勢力均衡と経済安全保障―台頭する中国への反応
第5章 通商リベラリズムと戦争と平和―経済的相互依存は平和をもたらすのか
終章 経済安全保障の含意と将来
著者等紹介
長谷川将規[ハセガワマサノリ]
1968年秋田県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学。湘南工科大学総合文化教育センター准教授。専攻は安全保障論、国際政治理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
3
デビッド・ボールドウィン…「この小論が行うことは概念分析である。…そうした試みの価値を否定し、単なる『記号論』だとか『言葉尻をとらえるだけの行為』として退ける人もいることだろう。しかしながら、知の進歩というものは、研究者がお互いにコミュニケーションをとる能力にかかっている。従って、明確な概念は、知の進歩に役立つように思われる」☆戦間期や冷戦期の事例、台頭する中国とアジア諸国の反応などを考察し、従来の国際政治経済学や安全保障論の死角を照射するとともに、新たな分析の枠組みを提示する。2013/05/30
サブロウ
1
経済安全保障への関心の高まっているが、本書は2013年の経済安保の理論書。 さらには、体系立っててめちゃおもろい。目から鱗。 経済安全保障(ES)の手段を、その「戦略目的」から8つに分類して、それぞれの利点・不利点を分析する。 相手国に対して均衡化するかバンドワゴンするかの分析をESを用いて行う。均衡化とバンドワゴンの二分法でなく、両者のシームレスな「強弱」と「二面性」の関係をESの手段から分析する。 相互依存平和論を解体して、ESの手段選択・行使によって戦争にも平和にもなることを論じる。2023/02/01