出版社内容情報
FTA/EPAの交渉に携わってきた外務省の担当者が詳細にその協定を解説。交渉現場の臨場感溢れる外交論となっている。
内容説明
ビジネスに使える実践的マニュアル。いま話題の国際貿易の新ルールFTA・EPAはこうして交渉された。
目次
1 FTA・EPAを定義する(FTA・EPAとは何か)
2 交渉経緯を見る(日本・シンガポールEPA;日本・メキシコEPA;日本・マレーシアEPA;日本・フィリピンEPA)
3 条文を理解する(総則/最終規定;物品市場アクセス;物品一般ルール;原産地規則;相互承認;投資;サービス貿易;人の移動;ビジネス環境整備;知的財産;競争;協力;紛争解決)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
19
時期遅れの感がありましたが、解説というだけありFTAやEPAについてわかりました。今一外務省を信用していない部分がありますが、文章で読むと流石だと感じました。ただ実績がしっかり国益につながってあるのかなとは感じました。2021/07/25
壱萬弐仟縁
4
TPPは、FTA/EPA、 WTO、 GATTの順に遡って検証するしかないか。本日借りた。なんとか、TPP24分野の把握ができそうな気がした。遡及するトレーサビリティの手法はフードシステムの研究でも必ず出てくるのだが、関税や自由貿易、ナショナリズムでは遡及して、今や今後起きてくる社会問題への処方箋は原因に遡るしかないと思う。TPP24分野の関わる省庁が不明だったが、結局、本著では外務省の専門家による部会ができていたことを思い出せば、TPPもこれに立脚して展開されるのは理解できる。TPPを真剣に考える材料。2012/11/29
coolflat
0
TPPを考える上で具体的な協定交渉を知りたかった。日本はEPAを新興国中心に結んでいる。因みにEPAとはFTAの要素を含む幅広い範囲をカバーする協定だ。そしてTPPはEPAの一種である。交渉過程を見る上で総じて言えるのは日本は、内国民待遇、最恵国待遇、ネガティブリストを重要視しているという事だろう。これらの条項はTPPが初ではなく、日本は既に経験していた事だった。つまり戦略的な交渉の中で培ってきたもので、当然、TPPにも反映されると思われる。巷で喧伝されるように、日本は行き当たりばったりでやってはいない。2013/07/18