内容説明
18世紀産業革命以来、大地から引き離され、「賃金労働者」となった人間の存在形態は、今ではすっかり人々の常識となってしまいました。しかし、やがてこれも、21世紀の世界が行き詰まる中で、新しく芽生えてくるものに、その席を譲らざるをえなくなるにちがいありません。「菜園家族」は、こうした時代の転換の激動の中から必然にあらわれてくる、人間存在の新たなる普遍形態であるのです。本書では、「菜園家族」に、人間本来の豊かさと無限の可能性を見出し、人間究極の夢である大地への回帰と、自由・平等・友愛の“高度自然社会”への道を探ろうとしています。いのち輝く「週休5日制」の農的生活。
目次
第1章 大地に明日を描く(閉塞の時代―「競争」の果てに;「菜園家族」構想の基礎―週休五日制による ほか)
第2章 人間はどこからきて、どこへゆこうとしているのか(新しい生産様式の登場;人間復活への新たな思索と実践 ほか)
第3章 菜園家族レボリューション―高度自然社会への道(資本主義を超克する「B型発展の道」;「人間」と「家族」の視点から ほか)
第4章 森と海を結ぶ菜園家族(日本列島が辿った運命;森と海を結ぶ「菜園家族」エリアの形成 ほか)
終章 人が大地に生きる限り(歴史における人間の主体的実践の役割;自己鍛錬と「地域」変革主体の形成 ほか)
著者等紹介
小貫雅男[オヌキマサオ]
1935年中国東北(旧満州)、内モンゴル・鄭家屯生まれ。1963年大阪外国語大学モンゴル語学科卒、65年京都大学大学院文学研究科修士課程修了。大阪外国語大学教授、滋賀県立大学教授を歴任。滋賀県立大学名誉教授、里山研究庵Nomad主宰。専門は、モンゴル近現代史、遊牧地域論、地域未来学
伊藤恵子[イトウケイコ]
1971年岐阜県生まれ。1995年大阪外国語大学モンゴル語学科卒、97年同大学大学院外国語学研究科修士課程修了、99年総合研究大学院大学文化科学研究科博士後期課程中退。滋賀県立大学人間文化学部非常勤講師を経て、現在、里山研究庵Nomad研究員。専門は、遊牧地域論、日本の地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- 「社会人教授」の大学論