内容説明
世界性を帯びる先住民運動で言葉をユーモアを銃を武器に立ち上がる女たちの声。
目次
1 同じ世界に二つの世界
2 農園での生活
3 ラカンドン密林への入植
4 密林の夜明け
5 愛、結婚、出産、そして戦争
6 女性の組織化と自己覚醒
7 サパティスタの支持基盤
8 チアパス高地の日常生活
9 密林のツェルタル人女性
10 女性司令官たち
11 先住民女性の作業部会
12 私たちの心はもう沈黙しない
著者等紹介
ロビラ,ギオマル[ロビラ,ギオマル][Rovira,Guiomar]
1967年スペイン、カタルーニャ生まれのジャーナリスト。現在メキシコシティ在住
柴田修子[シバタノブコ]
1969年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。大阪経済大学非常勤講師、同志社大学、同志社女子大学嘱託講師
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感想・レビュー
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よきし
10
サパティスタの活動がここまで先住民女性の社会運動として支持され、それによって方向付けられていたというのは恥ずかしながら知らなかった。本当に過酷な環境と資本主義的/先住民的家父長制の暴力と搾取の中から、変化するという体験をもとにここまで活動してきたのだということがよくわかるルポルタージュであった。ラテンアメリカ先住民の共同体フェミニズムがどのように立ち上がっていったのかということを、事例としてこれ以上しっかりと描いたものが日本語文献で現段階であるだろうか。本当によくぞ訳してくれた!と喝采を送りたい。2023/05/18
つばな
1
雌牛や酒で買われ結婚させられる女性たち。そんな文化の中で立ち上がったサパティスタの女性たちと、その変化を受け入れ女性革命法という先進的な制度を作り上げたサパティスタ。EZLNの主要村が密林への入植村であることすら知らなかった。政府との作業部会で意外にも政府側の招待者も政府をするどく非難したことなども記され、かなり読み応えのあるルポルタージュです。2018/07/03
YUKKE
1
メキシコ先住民運動に関しては、初めて専門的に読んだ一冊。とかく虐げられらた女性が多い先住住民運動で、でもメキシコ女性は強いなぁと思う。それでも寒くて、冷たくて、辛くてという女たちの悲鳴を読むことに。銃を取って闘う女性兵士。スペイン占領下、独立運動、革命戦争、そして先住民運動・・・。ずっとメキシコの女たちは男に混ざって銃を取って戦場にいたことにも衝撃。闘うメキシコ女。あたらな気づきの一冊。2012/08/12
さとまみ読書垢2(小説・その他専用)
0
「一歩踏む出すこと。サパティスタの女性は行進する。」女性が生活を生き抜くために、サパティスタを胡散臭い思いで見つめながらもその最先頭で闘い取るまでの葛藤とかが凄い。