内容説明
本書の目的は、アメリカにおける近代経済学の礎を築いた経済学者アーヴィング・フィッシャーの理論体系の特質ならびにその限界を明らかにすることにある。彼の経済学は、一見した限りでは雑多な理論の寄せ集めであり、その対象も多岐にわたる。しかし、時の経過につれてフィッシャーの経済学が「砂」に埋もれてもなお、その理論の構想を把握できる普遍性を備えている。
目次
第1章 人と歴史背景
第2章 一般均衡理論からの出発
第3章 資本と所得:展開軸の設定
第4章 複本位制をめぐる問題
第5章 利子率決定の理論
第6章 貨幣の購買力:貨幣数量説と過渡期分析
第7章 景気循環と負債デフレーション理論
第8章 フィッシャーの経済学の学説史的意義
著者等紹介
中路敬[ナカジタカシ]
1969年大阪生まれ。1991年広島大学経済学部経済学科卒。1993年広島大学大学院社会科学研究科経済学専攻博士前期課程修了。1999年九州大学大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程修了。1996~1999年日本学術振興会特別研究員(PD)。1999~2000年九州大学経済学部助手。2001年~茨城大学人文学部社会科学科助教授(経済学史担当)・経済学博士
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