内容説明
本書は多文化主義あるいは多文化共生について考えるときに必要な基本的な思考の枠組みと言語を提供し、欧米諸国の経験からわが国として学ぶべき教訓を示す試みとして書かれたものである。
目次
第1章 国際社会と多文化主義―グローバル化時代にはびこる多文化的な自己主張(『歴史の終焉』と『文明の衝突』;グローバル化に抵抗する力―土着の社会と文化とアイデンティティー ほか)
第2章 国民国家と多文化主義―国民国家の構築原理の変容(多文化主義は誰のため―少数者集団を保護するため;文化とは何か ほか)
第3章 多文化主義をめぐる欧米諸国の苦悩―米、加、豪、英、独、仏のケース(米国の多文化主義―過去の罪の償い;カナダの多文化主義―ケベック州の格下げ? ほか)
第4章 結び―日本型モデルの模索―同質性神話と民族国家哲学を放棄するとき(「純粋な日本民族と日本文化」の嘘;伝統的日本社会の活力の限界 ほか)
著者等紹介
賀来弓月[カクユズキ]
1939年生まれ。1960年、名古屋大学法学部在学中に外交官上級試験に合格。1961年外務省入省、オックスフォード大学修士課程に留学(国際関係論、国際法、EC法専攻)。在英大使館、在ジェネーブ代表部、在ブラジル大使館、在ニューヨーク総領事館勤務を経て、外務省経済局国際経済第一課長、在デンマーク大使館参時官、防衛庁防衛研究所、在伊大使館公使、国際農業開発基金(IFAD)日本政府代表理事、在ブラジル大使館公使、在ウイニペッグ総領事、在米大使館公使、東西センター(米議会設置シンクタンク)客員上席研究員兼所長特別顧問(1992~94年)、在マドラス(チェンナイ)総領事などを歴任。現在、ボンベイ(ムンバイ)総領事
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