内容説明
完全分配定理は、すべての生産要素はその限界生産性(限界生産力)に等しい報酬を受け取り、そのときには生産物は生産要素に完全に分配し尽くされるという2つの命題からなり、経済学史においてはよく知られているが、現在の経済学において言及されることはほとんどない。本書はその完全分配定理を含む限界生産性理論の全訳である。
目次
1 分配法則を統合する難しさの根源
2 交換価値法則のアナロジーによって示唆される1つの統合法則
3 一般的分配法則の表明
4 この法則は経験と一致するか
5 それは既存の経済理論とどのように関係しているか
6 分配法則の統合
7 省察
8 地代法則の最近の論議で仮定あるいは含意されているいくつかの関数の形に関する補足的考察
付録(ジェヴォンズの『経済学の理論』におけるいくつかの節について;経済量の次元;価値と分配の限界理論からみた経済学の範囲と方法)