内容説明
過去150年の経済学は、人間知性の信じ難い失敗作だ。世界中の経済学部は、経済の現実の流れが全く見えないサムエルソン『経済学』流の新古典派均衡論を教える。経済理論の体系化も、人生の真実とは無縁になされ、教員は無気力化し、学生は白け、社会は経済学不信に陥る。過度円高、財政金融政策の失敗、空洞化の進展、アメリカ経済の地盤沈下は、すべて経済理論、思想の欠陥による。
目次
第1章 人間の経済
第2章 人間の経済にはなぜ経済変動があるのか
第3章 変動相場制と日本経済の運命
第4章 調和しない世界と調和を求める日本
第5章 保守化する日本社会の行方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がっち
3
経済学部出身の私にとっては、歯がゆい感じであるが、的を射てる本である。経済学という学問は次第に無価値なものになってきており、心理的な描写が多くなり、そして、経済は実態経済を表さなくなってきた。このような状況を指摘してこなかたようなのはエコノミストの責任と言えるだろうか。そしてこの本の一説の中にある、「日本は政策立案、企画立案ができる人間を教育してこなかった」とある。これはその通りであり、大学は研究機関として、政策に疎かったとも言えるのではないだろうか、今公共政策大学院というとこに通っている私にとっては身に2013/04/19