内容説明
協同組合論、協同組合思想を考えるとき、労働者協同組合、生産協同組合を再評価するとき、地域コミュニティーとの結びつきを考えるとき、すべては、モンドラゴンの実践ぬきには語れない。そしてその実践は協同組合の基本的価値そのものである。フランコ独裁の中でいかにしてモンドラゴンの運動が生まれ、発展し、さらにはスペインの民主化とEC加盟を経て80年代前半の経済危機を乗り越えたか。世界的な注目を集めるスペイン・バスク地方の小都市モンドラゴンに展開するユニークな協同組合複合体の分析。
目次
第1部 モンドラゴンの背景(モンドラゴンの重要性;バスク人)
第2部 協同組合複合体の建設(礎石;最初の労働者協同組合;援助機関と多角化;協同組合グループ;工業用応用技術研究;協同組合銀行の中心的役割)
第3部 経営管理の変化(内部対立への対処;参加制度の再検討;労働組織の改革)
第4部 世界的な景気後退への対処(集団的存続のための犠牲;失業に対する補償と援助の提供;ウラルコからファゴールへ;労働人民金庫の役割の変化;サービス協同組合と農業関連事業協同組合;1980年代のモンドラゴン)
第5部 モンドラゴンの教訓(モンドラゴンの創設者への探求;民族と組織の文化;モンドラゴンの経験の意味)
補論 モンドラゴン研究の展開