内容説明
イギリスの代表的ケインジアン、N.カルドアは惜しくも1986年に死去したが、それまでの間に著名な論文を数多く発表した。本書は1950年代以降に公刊された、経済理論とその関連分野にかかわる、かれの主要論文を一書にまとめたものである。そのなかには「経済成長の新モデル」として経済学界に大きな波紋を呼び起こした論文や、一般均衡理論の批判的吟味を企図した論文などがふくまれているけれども、新古典派経済学に対する闘志がその随所にただよっている。
目次
第1章 資本蓄積と経済成長
第2章 経済成長の新モデル
第3章 限界生産力と巨視経済学的分配理論
第4章 イギリス経済の低成長の原因
第5章 地域政策を必要とする事情
第6章 国民経済の諸目標の確執
第7章 均衡経済学の不当性
第8章 どこで経済理論はまちがっているか
第9章 世界経済におけるインフレーションと景気後退