内容説明
生まれたばかりのおさなごが飼い葉おけで静かにねむるのを、じっと見守るマリアとヨセフと家畜たち―。マリアのもとにあらわれた、天使ガブリエル、ひつじかい、三人のはかせたち。クリスマスものがたりの登場人物たちが、美しく描かれています。パメラ・ドルトンの切り絵は、16世紀のドイツとスイスに起源を持ち、18世紀のアメリカ・ペンシルバニア州にドイツ系移民によって伝えられた手法を用いています。この絵本は、イエスさまのお誕生の希望と喜びを、切り絵の手法で細部までていねいに表現し、生命力あふれる作品に仕上げています。
著者等紹介
藤本朝巳[フジモトトモミ]
青山学院大学英米文学科卒業、米国ポートランド州立大学留学、2007年度アングリア・ラスキン大学客員研究員、現在、フェリス女学院大学文学部教授。日本イギリス児童文学会事務長、JBBY(日本国際児童図書評議会)理事などを歴任。絵本学会等理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
266
藤本朝巳・文、パメラ・ドルトン・絵。文は新約聖書(やはりルカによる福音書が主な出典か)に忠実に語る。絵は切り絵の技法によるもの。それぞれの人物がくっきりと際立つ特質が活かされた絵。内容的には、絵もまた伝統的な絵画の構図や描き方に忠実。受胎告知はちょっとダ・ヴィンチ風だし、マリア様は青いベールを纏い、ヨセフは老人、東方の三博士の一人は黒人、そして生まれたばかりのイエス様は布にくるまれている、というもの。天使の表現がことさらに美しく、絵本全体も安心して薦められる。2024/12/26
吉田あや
72
イエス誕生の物語をパメラ・ドルトンの切り絵で静謐に描き、あまりの美しさに息を潜めながら繊細で色鮮やかな線の1本1本に魅せられる。生まれたばかりの幼子イエスが飼い葉桶で静かに眠る場面から始まり、天使ガブリエルが乙女マリアに主を宿している事を告げる受胎告知や、救世主が生まれたことを羊飼いに告げ、人々に祝福を与える天使たち、ベツレヘムの星に導かれイエスの元へと駆け付ける東方の三博士。絵画でも有名なシーンと共に一続きの物語へと紡がれる全てのページが神々しく、静かな興奮に包まれた。2020/12/26
tulip
57
クリスマスは過ぎてしまいましたが、絵がとても素敵だったので借りました。黒い背景に貼られた切り絵が美しい。天使の羽根や植物が細かく切り出されています。物語はヘロデ王が死んで、家族がナザレに戻り、子ども時代を神様の愛に守られて育ったところまでです。2021/01/10
Kawai Hideki
30
聖書のクリスマスの物語を、16世紀のドイツとスイスから伝わる伝統の切り絵で描いた絵本。草花や木の葉、藁や天使の羽が細かく切り出されていて美しい。2014/12/21
けんちゃん
26
マリアの受胎告知から、丁寧に聖書に忠実に書かれた「正調・クリスマスストーリー」という感じです。この作品、イエスが成長するところまで描かれています。あまたあるクリスマスストーリーでも「子どものイエス」が描かれているのは珍しいのではないかと思います。黒をベースにした、美しい切り絵がすばらしい、オススメです!2012/12/11
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