内容説明
現代日本に生きる女性としての著者自身が負わされている課題と重ね合わせながら、女性たちとイエスとの間に生じた相互的影響を、マルコによる福音書から読み解く。
目次
長血をわずらっている女性の物語
シリア・フェニキアの女性の物語
貧しいやもめの物語
香油を注いだ女性の物語
女性弟子たちの物語
空の墓
離婚、売春、姦淫
結論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
2
本書が出てから二十年近くの間に色々な意味で女性を巡る状況が変わったということに驚かされる。まず本書で度々言及される天皇を中心とする父権制がかなり崩れてしまっているということ。しかし、だからといって女性にとって生きやすい状況になっているとは決して言えないというのが皮肉である。また、女性が被抑圧的存在であったことを否定するつもりはないが、その視点のみではどうしても掬いきれない部分が出てくるのでは?という疑念もわく。とはいえ、フェミニズムの視点から聖書を読み説くというのは、刺激的な試みではあったと思う。2015/04/21
Nakaki Takao
0
フェミニズム神学を日本に導入した必読書2016/05/11
準急
0
聖書世界には女性の名前が殆ど登場しない。聖書世界は言わずと知れた父権制社会であり、その有り様を再確認するのに、この本は役立つであろう。 聖書は人類史の中で最も長く読まれた文学作品であり史料である。そして宗教的な柱を確立した本がそのような女性劣勢を助長するとどうなるか。以後根強く女性差別が残るのは言うまでもない。 聖書のどのような部分に差別が散りばめられているか、フェミニズム神学の参考書と言っても良いでしょう。2014/10/27
I神学生
0
無意識に抱いていた偏見と差別について、目を開かされた一冊です。聖書の読み方が変わると思います。2011/04/26