感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃんたか
11
教義とは教会による熟慮反省を経た権威ある教理のこと。不可謬ではないが高度な安定性を持つ。教義史は教理が定式化されていく変化と発展の過程をありのままに記述する。グノーシス主義、アリウス、ネストリウス、アンセルムス、ペラギウスらの論争が教義の有機的成長に与えた影響を無視することは、教義史の記述において決して許されない。ここに至ってアウグスティヌス、ルター、カルヴァンに連なるプロテスタント信仰の形成がローマカトリックに対する単なる「抗議」ではなく、聖書に裏付けられた神の計画であることがいよいよ深く確信される。2016/08/16