内容説明
親の権利とは。行為規範としての立法の役割に迫る。アメリカの離婚後の共同監護、面会交流、子の奪取と引渡し、養育費等の法制度から、現代日本法の課題に重要な示唆を与える書。
目次
第1部 アメリカ法(アメリカにおける親の権利;離婚後の単独監護者決定基準の変遷;離婚後の共同監護法;離婚後の親子の交流;子どもの奪取と引渡し;養育費制度)
第2部 日本法(子の監護紛争の手続と判断基準;日本における親権議論;親権と親固有の権利義務)
著者等紹介
山口亮子[ヤマグチリョウコ]
熊本県生まれ。上智大学法学研究科博士後期課程単位取得後、山梨大学助教授、京都産業大学教授を経て、関西学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
酒井 敦
0
米国の親権法の歴史から丁寧に書かれており参考になる。とはいえ、共同監護への道も一筋縄ではいかないというのが実感である。例えば、法的監護権、身上監護権がある。身上監護権は、まさに監護割合を50/50にする話なのだが、そこまで実施できている例は米国でも少ない。このため、面会交流(米国ではvisitation, parenting time)の充実まで道のりを示していく必要がある。また、共同監護の歴史を見て、共同監護法ができた1979年以前にも、共同監護が夫婦の合意があればできたそうで、暗澹たる思いになる。2020/11/08