出版社内容情報
中村 良平[ナカムラリヨウヘイ]
著・文・その他
内容説明
まち(地域)の「産業連関構造を変える」ことこそが自立ある持続可能な地域経済を作り上げる基礎になるという信念と、各地で取り組んできた経験を自信として、その具体的な「地域経済構造分析」のやり方を説明。これまでの地域経済の解説書や教科書、研究書にも書かれていないオリジナルな考えや分析手法が含まれている。
目次
序章 まちづくりの経済原則
第1章 いま、まちの経済は?
第2章 まちの経済構造、どこが問題?
第3章 まちの経済の成り立ちは?
第4章 まちの経済のどこを見る?―地域経済構造分析の導入
第5章 具体的に何をする?―地域経済構造分析の実践
第6章 まちの構造改革に向けて―地域経済構造分析の展開
第7章 こうしてまちの経済は変わった!
終章 変わりつつあるまち
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨムヒト
7
地方創生のプロ木下斉氏が勧める本書は準専門書。産業連関表については別途内容理解が必要も、地域の経済構造を紐解くプロセスがざっくり理解できる。 対象地域を決めると、対象地域周辺を含めた昼間人口比率を調べることで対象地域が雇用の中心かどうか分析する。続いて、産業をリストアップし、地域の主要産業と雇用の集中度合いを分析する。続いて、産業連関表からマネーの動きを分析する。しかしながら、産業連関表は市町村レベルで有ったり無かったりする。この産業連関表は専門的で一から理解する必要がある。概要説明だけでは分からない。2024/05/03
ja^2
3
第6章で急にジャンプアップする感じだ。それまでは非常に丁寧に説明しているので、わかりやすい。▼ところが、第6章では産業連関表がそもそもどういう構成になっていて、読者がそのすみずみまで理解していることを、いきなり前提にして書いているので、全くついていけなくなってしまった。それでも著者の言いたいことは、「域外マネーの獲得」と「域内循環の促進」であることは十分に理解できた。▼そもそも本書を読んだ目的が、産業連関表をもとに経済波及効果を算出する方法を本書で勉強することだったが、その目的とはミスマッチだった。 2015/09/30
1
経済学的な説明が多く、成功体験だけの紹介に終止する本とは一線を画す気もするが、前半では比較優位の話が多く出る割に、後半は産業連関表で地場産業への移入をなるべく減らす、地域内で所得を循環させるといった話になっていたところがややもんにょりする。2024/01/13
Satoshi Murai
1
読了2016/02/05
のらくら Running B.B
1
「まちづくり」「まちおこし」に関連する書籍は数あるが、本書は特定地域の成功・失敗体験の羅列に陥らず、地域経済の構造を数量的に把握し、構造自体を変化させることを目的とした概念と手法を紹介しており、非常に汎用性が高い内容であると思う。地域資金循環表の重要性が指摘されているが、自治体がコストをかけてミクロな統計調査から積上げて地域資金循環統計を作成しなくても、資金の金融的循環は地域金融機関の預貸率で、資金の産業的循環は地域産業連関表で把握できるから問題ないと言うことなのだろうか。2015/06/18