内容説明
宇宙システムの特徴は、単品主体の製品が、地上で可能な限定された試験・解析を根拠に、地上からは手の届かない場所で働くことが求められるというものです。本書は、宇宙システムの安全・ミッション保証の構成要素である、安全、信頼性、品質の具体的な活動を解説するものです。どの産業にも、それぞれ特徴があり、それに適した活動が規定されるべきであり、本書では航空機の活動を宇宙システムと対比して解説することで、宇宙・航空業界に属する安全・信頼性・品質技術者、設計者、その他技術者全般、大学・大学院生、企業の管理者に全体像を理解していただくことをねらいとしています。
目次
第１部 宇宙システムおよび安全・ミッション保証の概要（宇宙の特徴；対象とする宇宙システム；宇宙システム開発の進め方；宇宙システムの安全・ミッション保証）
第２部 宇宙システムの具体的な安全・ミッション保証活動（安全；信頼性；宇宙システムの品質保証；宇宙用部品；ソフトウェア安全・ミッション保証）
第３部 航空機の安全性・信頼性・品質保証（航空機と宇宙機；旅客輸送用飛行機；無人航空機）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えぬざき
1
JAXAの取り組みをメインに、ロケットや宇宙機の開発から運用を網羅して解説する一冊。宇宙が過酷な環境というのは多少知っていたが、そこに一発勝負で物を飛ばすだけあって、想像以上に開発プロセスやら使用部品やら細かい指定があって感心した。システム安全の面についても、各部署がそれぞれ規定を満たせばOKというボトムアップ方式ではなく、全体から見た連携を重視するトップダウン方式というのも納得がいく。きぼうの打ち上げにあたっては650社の協力をJAXAがまとめたとも書いてあり、緻密さ、スケールの大きさに驚くばかりだ。2023/09/10
