内容説明
失敗学と創造学が目指すのは、自分で考え、新しいものを見出し、創り出す技術である。いかに上位概念に登り、知識化するかがその鍵となる。本書では、主に品質保証に焦点をあて、失敗学と創造学の考え方と手法を紹介する。
目次
第1部 リスクマネジメントのための失敗学(なぜ失敗は起こるか;失敗学のエッセンス;設計論的アプローチ;再発防止と未然防止;上位概念に登る方法;創造職の未然防止;運用職の未然防止;信頼性設計;攻めの品質保証)
第2部 創造学―創造的な発想法(創造学の必要性;要求機能と思考展開図;競合他社に差をつける逆演算発想法;設計と設計支援法について)
著者等紹介
濱口哲也[ハマグチテツヤ]
東京大学大学院工学系研究科社会連携講座(機械工学専攻兼担)特任教授。1960年生まれ。1986、日立製作所入社、磁気ディスク装置の研究・開発・設計に従事。1998年、東京大学博士(工学)。2002年、東京大学大学院工学系研究科産業機械工学専攻准教授。2007年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいた@読書中はお静かに
19
仕事用の本。他人や他社での失敗をどのように活かすか、水平展開の具体的な手法、失敗の検索方法などについて詳しく書かれていた。今の自分の立場とドンピシャ同じの失敗なんてなかなかない中で、会社や世の中にある失敗ライブラリーを如何に使えるかが鍵。従来の品質管理だけではなく、設計も巻き込んでの攻めの品質管理。2014/11/11
Tenouji
16
エンジニアリング関係の本としては、久々の目から鱗本!失敗学と言えば畑村先生だが、そのお弟子さんの書。失敗と創造を、要求機能と失敗知識として、結びつけているあたりがスゴい。気になっていた、信頼性の話しも詳しく、かなり勉強になりました。2019/02/16
ken123
3
Very good! 来週会社で著者による研修があるので予習がてらに読んだ。あまり期待せずに読んだのだが、想定以上に面白かった。ある事象(失敗)からの考察の仕方はためになる。肝は上位概念に上がり水平展開、後に下りること。失敗からだけでなく、新製品の構成発想にも使える。「知識も組織も上に登らなければ水平展開はできない」「フールプルーフとフェールセーフの設計」「思考展開図: 課題→要求機能→機構→構造」A: 思考展開図を用いて製品ばらし&再構築をやってみる2015/11/28
Haru
2
会社で著者の講演会があり(出席できなかったが…)読んだもの。失敗から得られる教訓も、その失敗を一般化しなければ教訓が活かされないし(失敗学)、新製品の開発も、顧客が持つ課題の本当の要求を理解して解決しなければならない(創造学)。要は本質を理解するってことなんだろう。本質を理解するという点で、失敗を防ぐ品質管理も新製品を創造することも同じだとして、題名になっているそうだ。ただ、新製品開発は、顧客要求の本質を理解するだけではないような気がするんだなー…難しや2013/04/08
hiropon
2
自分が何かアイディアを出すとき無意識にやることが文章で書いてあって,なるほどと思った.意識的に手順を踏んでアイディアを出すことができると思う. 2013/02/07