内容説明
AHP(Analytic Hierarchy Process:階層分析法)は、戦略的な目標に至るプロセスを階層構造に分け、この階層をもとに複数ある選択肢の評価を行い、客観的な総合判断にまとめ上げる手法です。この意思決定のプロセスでは、人間なら誰もが持っている経験と勘という感覚情報を重要な要素としていますが、これがAHPの大きな特徴です。これにより、従来の意思決定手法ではモデル化や数量化が難しかったテーマも、AHPを使えば扱えるようになりました。本書では、社会インフラの構築や、企業の経営戦略、社会調査にAHPを応用した、数多くの事例を取り上げています。
目次
第1部 社会インフラ構築へのAHPの応用(高速増殖炉サイクルの実用化戦略策定における総合評価;総合評価方式の導入における評価項目の設定;市民から見た建設工事の事業者選定要因分析;環境配慮行動を促進させる広報活動;地域住民の意見を取り入れた道路整備計画の評価;利用者満足を高める公共事業積算システムの選定)
第2部 企業経営戦略へのAHPの応用(多様な運用戦略に基づくビルのエネルギー供給源の選定;情報セキュリティマネジメントにおける情報資産の評価;債券ポートフォリオ運用のパフォーマンス向上モデル;情報システム開発手法に関する評価モデル;通信ネットワークにおける伝送網の選択)
第3部 社会調査へのAHPの応用(文部科学省技術予測調査における市民ニーズの把握;自治体の行政評価―三重県の取組み;マーケティング戦略に役立つ食品嗜好調査;市民意識調査を活用したまちづくり;マレーシア農村開発プロジェクトの参加型意思決定;AHPからANPへ)
著者等紹介
木下栄蔵[キノシタエイゾウ]
1949年生まれ。京都大学大学院工学研究科修士課程修了、工学博士。名城大学都市情報学部学部長、名城大学大学院都市情報学研究科・研究科長教授
大屋隆生[オオヤタカオ]
1958年生まれ。東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修士課程修了。国士舘大学理工学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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