出版社内容情報
嫉妬、怨念、悲しみ、嘆きを融合した、美しくも哀しい般若面。その異形面「生成」「真蛇」も含め、7方向から撮影の実寸大手本写真と、700枚を超える詳細な工程写真で習得する。そのまま使える原寸大型紙つき。
※2013年8月刊行の同名書籍のカバーデザインと定価を変更し、再刊行したものです。内容に変更はありません。
内容説明
木取り、粗彫り、小作り、彩色…。木塊が般若へと変ずるその制作過程を700枚を超す写真で余すことなく徹底公開。さらに生成、真蛇を含む三種類の般若面の七方向写真と原寸型紙を収録。般若面を打つための全てがここに凝縮されています。
目次
1章 「粗彫り」(木取り;輪郭を取る ほか)
2章 「小作り」(耳を作る;米噛みと頬を取る ほか)
3章 「彩色」(下塗り;上塗り)
4章 「道具」(面打ちに使う道具;作業台を作る;能面の用材;姿勢)
5章 「原寸大型紙」(生成;真蛇)
著者等紹介
倉林朗[クラバヤシアキラ]
生年月日、昭和35年6月15日。昭和54年8月長沢氏春氏(無形文化財技術保持者)に師事し、面打ちを始める。平成21年3月茨城県石岡市に能面教室を創設(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
46
面一つで儘ならぬ人生で誰もが抱く、嘆き、怒り、妬み、憤怒、愼に振り回される自己への嫌悪などの表情を魅せるのが般若面だ。人間の顔が非対称だからといっても、面もそうすればいいとのではない。面は対称や部分毎の距離の均衡の中で女性らしい曲線と感情が昂り、人から乖離する中で現れる直線を如何に打っていくかの計算が必要となってくる。そんな般若面を打つ際の詳細なプロセスは実に緻密でその手際に驚きつつも目が眩みそうになる。また、生成、真蛇を掘る為の原寸型紙や打つ時に必要な道具や姿勢などのアドバイスも事細かく、収録されている2024/09/23
Go Extreme
3
般若=2本の角を持ち、瞼を歪め、口を大きく開けて、顔を硬直させた相猊 般若面の魅力:恐ろしさとともに言いようのない哀しさ 多様な表情を持つ般若面:見る角度によって嘆きから怒り、憤怒そして悲しみへと表情を変える 作品紹介:般若・生成・真蛇 頭打ちとは何か:極限まで余分なものをそぎ落とすこと 般若を打つ 先人の足跡を追うなかに自己が現れる 粗彫り 小作り 彩色 道具 原寸大型紙 よい能面を打つー能面を観察・ミスをいかに克服できるかの試行錯誤 ものを作る=いかに自分に厳しく妥協せず作業をするか2024/08/23
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