内容説明
元治二年四月七日、慶応と改元した。理由は、前年の元治元年に禁門の変があり、世情不穏とあって徳川慶喜が内々に申願したといわれている。この年、筑前藩では前家老の加藤司書ら勤王派を根こそぎ弾圧した。この勤王派弾圧事件では、姫島に流された野村望東尼らを含め百八十余人が断罪された。これで筑前藩は有為な人材を失い、明治維新に取り残された。当時の家族構成を一家四、五人として、そのほか親族や知人を含めると千人以上の人々が関係し、被害にあったことになる。城下町は火の消えたように寂として声がなかった。幕末・維新期には、この『乙丑の獄』のあとも、福岡では『戊辰の藩難』『太政官札贋造事件』『筑前竹槍一揆』『福岡の変』とつづき、非命の歴史を重ねた。以来、現在まで百三十余年の歳月が流れた。えてして歴史は勝者の立場で語られる。本書では敗者の側から視点を当てた。
目次
喬木、風に折れる
根を截ち、葉を枯すべし
非命に倒れる
筑前藩の推移
家臣団の構成
加藤家の出自
司書の肖像
筑前勤王党
平野国臣小伝
脱藩士列伝
第一次長州征伐〔ほか〕
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