目次
1章 DVってなんだろう?
2章 DVは相手の人生を搾取する
3章 DV加害者と教育プログラム
4章 DV加害者は変わらなければならない
5章 社会がDV加害者を生み出す
6章 DVのない社会を目指して
著者等紹介
山口のり子[ヤマグチノリコ]
アウェア代表。女男平等の社会を目指して40年、日本及び海外で活動する。シンガポールではDVやセクシャル・ハラスメント被害者支援及び裁判支援に関わる。ロサンゼルスではDV加害者プログラムを実施するためのトレーニングを受け、帰国後、2002年に「アウェア」を開設してDV加害者向け教育プログラムを始める。2003年に「デートDV」という言葉を日本で初めて使って本を出版し、若者向け防止教育に取り組む。プログラムの実施者養成もしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
21
DV加害者更生プログラムの受講者の告白を紹介しながら、DVの要因を解説した本。DVについては「自己愛性人格障害」という診断が下される場合もあるようだが、著者は特定の障害や疾患に原因を求めると、DVの背景にある根深いジェンダー・バイアスが不問にされがちだとして、一部精神科医の診断に警鐘を鳴らす。DVは「力による支配」であり、「相手を思い通りに支配する」ために「(加害者)が選択した行為」であると強調する。教育プログラムの重点はDVにつながる価値観の学び落とし(unlearn)にある。読み応えあった。2022/02/05
fwhd8325
20
愛を言い訳にする人たちとあるが、加害者として登場するのは、男たちです。加害者とされる人のほとんどは男なのでしょうが、提起している事柄を見れば、男性も女性も思い当たる面があると思います。私自身も、ここまで問われるのだと、少々自己嫌悪を感じます。2016/07/17
てくてく
9
DVに関する本の中でも、加害男性の視点からDVの問題を明らかにしている本書は貴重だと思う。妻が家を出たこと、アメリカでDVを行って逮捕されたこと、そういった外部要因がきっかけでアウェアに来て、自分を変えようとしている男性たち、彼らが、被害者に向けて、逃げろ、直ちに加害者と距離を置け、さもないと新たなDV加害者を作ってしまうことになる、というあたり、そして、性犯罪も同様だが、DVの容認度が高い日本という指摘にこの問題の根深さを感じた。2016/11/05
日下 未知亜
5
著者の講演に参加するため借りる。加害者向けプログラムをアメリカで学んで、日本で実践している方、ということは知っていたが、「デートDV」という言葉を造った人だとは知らなかった。それもこれも、すべては被害者支援につながる、という根っこに、被害影響の深さを感じ、ありがたいやら恐ろしいやら。購入してまたじっくり読みたい。2016/12/25
おーね
4
DVの加害者からの話は驚かされる告白だった。暴力を愛だと思うなんてよく分からない。女とか男とか性別はあるけれども「らしさ」ということでステレオタイプに張り付けられるのは怖いね。2016/06/04