内容説明
本書は東ドイツ一国に限定して「社会主義とは」という問題を究明しようとする。社会主義というイデオロギイが東ドイツの政治原理として採用された結果、どのような社会体制が東ドイツに現出するに至ったのか。その解明を通じて本書は「社会主義とは」という問いに答えようとするものである。
目次
序章 イデオロギー教育
第1章 党の矛と盾
第2章 国家安全省
第3章 完璧なる監視体制
第4章 解体措置
終章 全体主義支配
感想・レビュー
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本書は、「社会主義というイデオロギイが東ドイツの政治原理として採用された結果、どのような社会体制が東ドイツに現出するに至ったのか、その解明を通じて本書は<社会主義とは>という問い」(p.1)に答えることをことを目的とする社会思想史研究者による東ドイツ社会主義体制論。「監視も、抑圧も、圧殺も、総ては社会主義が正義の体系であると自己主張するところから始まった」(p.4)と説き、「イデオロギイ教育」と「抑圧体制」の分析を通じて<社会主義とは>を明らかしようとした、しっかりとした実証研究。2013/12/01