内容説明
本書は、第一次世界大戦の末期に、わずか三カ月の間、ドイツ帝国宰相の任にあったゲオルク・ミヒャエーリスと、ドイツに生まれ外務省に勤務したこともあったが、1905年スイスに帰化して、当時のドイツ国粋主義を批判し、「国際理解」を推進することによって平和の推持に努め、大戦後は国際連盟の管理下にあったザールラントの最高裁判官となったオトフリート・ニッポルトの二人の行動を紹介しつつ、第一次世界大戦前後の「戦争と平和」の問題に焦点をあてて記したものである。
目次
第1部 ゲオルク・ミヒャエーリスと第二帝政ドイツ(有能なプロイセン官僚;帝国宰相ミヒャエーリス―教皇ベネディクト十五世の和平工作とその対応を中心に)
第2部 オトフリート・ニッポルトの戦争と平和(「国際理解のための連盟」とニッポルト;第一次世界大戦の責任論と原因論)
第3部 ミヒャエーリスとニッポルトの近代日本観(ミヒャエーリスの日本体験;ニッポルトの見た日本の近代化)