内容説明
寒河江市長・佐藤誠六氏。山形県さくらんぼの里の温泉掘削をめぐる師弟愛を軸に、地域おこしに夢をかける住民との交流を描いた感動的な記録。地方自治体が取り組むふるさとづくりの課題をとくヒントばかりでなく、地方理解の格好のガイドとなっている。
目次
庄司先生との出会い
温泉発掘に向けて(資源調査始まる;膨大な調査データ ほか)
井田伝内さんの出現(第2号温泉発掘の悲願;市村教授にお会いする;伝内さんの掘削始まる ほか)
温泉余話
今日の寒河江(三十幾星霜を経て;近代的な市庁舎を中心に;日本1、さくらんぼの里 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
コオロ
1
昭和二十~三十年代、周りの自治体が立派な温泉街を擁する中、温泉がなかった土地でバンバン温泉を掘り当てたフィーバーぶりを記した、当時の掘削に大学教授の助手として携わった学生さんの回顧録。その後、寒河江に温泉街と呼べる規模の環境は定着しなかったが、当時の顔役たちが思い描いていた「中継地点として発展する」構想は予想以上の形で実現している。そのきっかけが、親戚の個人的な相談を、個人的に親交があった教授に取り次ぐことができた、著者の下宿締め出し事件にあるというのが、人と人との縁を感じて面白い。2023/04/09