内容説明
私たちが住んでいる宇宙は、大火事を免れてここに存在する!量子力学が予測した「反物質」の「反宇宙」が存在せず、この「宇宙」だけが存在する理由を、ノーベル物理学賞を受賞した南部博士の対称性の破れの理論、小林、益川博士の小林‐益川理論にも触れながら、わかりやすく解説。
目次
第1章 宇宙は1つだけか
第2章 見えない世界へ
第3章 反物質の発見と対称性
第4章 物質の構成要素と4つの力
第5章 4つの力は1つだった
第6章 現代の標準理論とは
第7章 対称性の破れの発見
第8章 対称性の破れが導く宇宙の姿
著者等紹介
広瀬立成[ヒロセタチシゲ]
1967年東京工業大学大学院博士課程修了。東京大学原子核研究所、東京都立大学、ハイデルベルク大学を経て、東京都立大学理学研究科教授、早稲田大学・理工学総合研究センター教授を歴任。2002年度より、東京都立大学名誉教授。理学博士。専門は、高エネルギー物理学・実験。NPO法人町田発・ゼロ・ウエイストの会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うめけろ
1
『天使と悪魔』『宇宙は何でできているのか』『宇宙創成(上・下)』の流れからこの本を読んだので知っている単語がちらほらありましたが、もちろん僕には100%理解できませんでした(^^;)。寿命が10のマイナス何乗秒の粒子とか、対称性の破れとか、日常とかけ離れた思考が心地よいです。何百年か後には、粒子を正面衝突させるための28kmもの設備も数kmとか数mで達成できているかも知れないですね・・・なんてことを考えると、その頃にもう一度生きてみたいです。きっとグラビトンもヒッグス粒子も発見されているんだろうなあ。2012/10/20
ゆきち
0
入門編?にしてはスピンの運動角やらの説明もあり、ちょっと詳しい。物質と反物質の生成速度の違いが対称性の違いなら、結局釣り合っちゃうように思えるのだけど…ここらがよくわからんね。実際に10億分の1の違いが出て、そして宇宙には物質の10億倍の光があるのだから疑う余地は無いのだけど。2014/04/10
katar
0
CP対称性のところだけちょっとわからなかったけどあとは文系の私でも大体理解できた。大筋が物語仕立てになっていて面白い。ラストでの反宇宙が存在しない種明かしのところはカタルシスを感じたほどだ。2011/08/26
ぐる太
0
「天使と悪魔/ダン・ブラウン著」の中でキーワードとして登場する「反物質」。この「反物質」というものに少なからず興味が湧いたので、本書を手にした。目に見えないミクロな世界の研究が、宇宙の創生という壮大な話につながるのだから面白い。一般の人が素粒子についての概念を知る上では、良い本じゃないかな。2010/10/15
和邇
0
話題の小林ー益川理論の説明が分かりやすい。科学離れしている身には難解な式が出てくるが、それを差し引いても読み物として面白い。2009/08/18