内容説明
永遠回帰、神の死、超人、権力への意志、ニヒリズム…既成の価値を攻撃し、学問の範囲を越えて多大な影響を及ぼしたニーチェ。本書は、没後一世紀を過ぎた今、ますます強く私たちを刺激する、ユニークでオリジナルなニーチェの哲学の魅力と謎に迫った一冊。
目次
第1章 悲劇の哲学―その成立背景
第2章 ニーチェのスタイル―哲学者とは何か
第3章 生の光学から―生きることと知ること
第4章 生成と存在―真理の認識について
第5章 悦ばしき知識―真理と戯れる生
第6章 永遠回帰思想
第7章 道徳批判
第8章 権力への意志をめぐって
第9章 ニヒリズム
第10章 ニーチェ哲学の周辺
著者等紹介
樋口克己[ヒグチカツミ]
1960年生まれ。信州大学人文学部、東京都立大学人文学部人文科学研究科に学ぶ。同大学人文学部助手を経て、現在、東京都立青梅看護専門学校、君津中央病院附属看護学校、千葉大学、多摩美術大学、東京都立大学、東京学芸大学にて、哲学・倫理学等の非常勤講師
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感想・レビュー
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Kota
7
このシリーズは見開きの左に解説文、右にイラストという構成の入門書群で、文理を問わず幅広いジャンルを網羅する好企画なのだが、さすがに見開き2ページごとにニーチェ解説ってどうよ? と半信半疑だったが、意外とイケるw 2ページで1テーマなので辞書的でもあり、一章から十章まで、ニーチェの思想変遷の見取り図的にも使える。最終章の後世への影響も面白かった。正直通読はしにくく、イラストもあまり理解の助けにはならなかったが(苦笑)、ニーチェの全体像を包括して咀嚼し、見開きごとに再配置した著者の労苦が伝わる良著と思う。2019/07/17
shigoro
2
竹田青嗣の『ニーチェ入門』に挫折して、さらに簡単なこの本書をを探して読んだが…それでもまだ難しい。最後まで目を通せはしたが、息も絶え絶えにしんどさと疲労感だけが残ったわ。ただ有名な、ルサンチマン・超人・永遠回帰・神は死んだ・ニヒリズムなど個々のニュアンスは多少理解できた。2011/04/21
Kant
1
ニーチェの思想を単純化し過ぎずに学べる。 参考図書が充実しているのも好印象。 2017/12/04
蝎虎
1
ショーペンハウアーを学ぶために読んだ。ニーチェの全体像をつかむのに役立つ。ただし、ニーチェを図解していない。次は「これがニーチェだ」を読みたい。2013/10/07
千鶴
1
とても平易に書かれているので分かりやすい。そして事細かに説明されているから勘違いもそうそう生まない。しかも左頁:文章、右頁:絵図、という形式で組み立てられている。目次にざっと目を通して、気になる項目をぱらぱらと読んでいくのがお勧め。なぜなら、ほとんどの項目がどこかの項目と関連付けられていて、そこからどんどん芋づる式に読み進めることができるから。そうして、その項目だけでは明確に分からないことも、だんだんと分かっていって面白い。加えてニーチェの豊富な参考文献もついているので、さらに理解を深めたい場合にも。2012/12/29