内容説明
文字化けの原因から電子政府の問題点、漢字政策の移り変わり、グローバル・スタンダードの実態、文字コードをめぐる伏魔殿のような状況までを、わかりやすい図解で解説。
目次
1 文字コードとはなにか?(紙の書類から電子の書類へ;電子ペーパー ほか)
2 日本語とコンピュータの出会い(コード会;情報処理学会とISO ほか)
3 迷走する日本語文字コード(国語改革と当用漢字表;常用漢字表とその余波 ほか)
4 国際標準の影で(中国の文字コード;台湾の文字コード ほか)
5 日本の国際貢献(アルファベットのルーツへ;母音表記問題 ほか)
著者等紹介
加藤弘一[カトウコウイチ]
1954年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。文芸批評家。1983年、「コスモスの知慧」で第25回「群像」新人賞評論部門受賞。1995年より文芸ホームページ「ほら貝」主宰。東海大学文学部の「パーソナル・コンピュータと文学」という授業で、電子テキスト処理とインターネット時代の文学について講じている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
17
作家の円城塔が「文学というのは、所詮、文字コードのなかでしか生きられない」みたいなことをどこかで書いていたのを長いこと記憶に留めていて、読んでみた。いやいやこれは大変なことになっているぞ、コンピュターの文字コードに限った本かと思ったら、「地球規模的文字興亡史」の様相を呈している。ものすごく読みにくい本だけど、ものすごくゾワゾワしてきて、その勢いのまま、図書館検索で「文字の歴史」本をリストアップしてしまった。そうだよな、人間の日常では、水と同じくらい文字を吸収してるし、文字にマジそそられるのは当然の事かも。2023/08/12
Humbaba
10
パソコンを使っていれば,多数の文字を目にすることになる.普段は当たり前だと思っている文字だが,それを表現するためには様々なことを考慮する必要がある.どのような方法も一長一短であり,何を求めるかをよく考えておかないと,他との関連性が弱くなってしまう.2013/04/07
MonoWaTameshi
0
小林龍生さんの『ユニコード戦記』を読むための予習。2002年8月発行の本のため情報としてはやや古いながら、これは良書だと思う(83JISのdisり具合がなんとも好きだ)。実は図書館から借りだして読んだのは今回が2回目。何度読んでもすんなり頭に入らない。図が今ひとつ伝わりにくい気がするんだけど、それでもやっぱりいい本です。しかし、この手の本で最近のおすすめってあるんだろうか。技術系書籍は陳腐化が激しいんで、今読むならこれっていうのがもしあればぜひ教えておしえてください。 2011/09/15
結城あすか
0
この本は割と日本のコード規格の成立経緯について詳しく、そしてわかりやすく触れてるから、貴重な1冊だと思うにょ。しかし、これを見たら歴代のJISの漢字コード規格が、いかに改訂の度に方針をくるくる変えて首尾一貫せず、その度に混乱を巻き起こしてるかがわかるにょ。JIS第3水準とか第4水準っていったいどこで使ってるのかにょ?2003/02/24
Nobuya
0
文字コード編成の歴史書 現在、何気なく使ってる文字にも様々な思いや苦労があったのだと知れた。また、未解決の問題もある事を知れた2024/12/17