内容説明
精神分析理論とは、19世紀末にフロイトにより創始された学問である。精神医学の臨床に根ざした学問であり、20世紀の様々な学問に大きな影響を与えた学問である。現在では、脳の科学としての精神医学にシフトしていることもあり、かつてほどの隆盛はないが、臨床精神科医療や臨床心理学の世界においては、理論的支柱として、現在でも必要不可欠の存在である。本書では、この精神分析理論について、誕生するまでの経緯から、フロイト自身がどのように理論を構築していったのか、その中身とはどのようなものだったのか等について、具体例を挙げながら、わかりやすく解説した。また現在の精神療法にどのように取り入れられているのかについても言及した。
目次
第1章 精神分析とは何か
第2章 精神分析が誕生するまで
第3章 フロイトの精神分析理論
第4章 フロイトの精神分析療法
第5章 フロイト以降の精神分析
第6章 現代の心の病との関わり
著者等紹介
富田三樹生[トミタミキオ]
1943年、新潟県生まれ。新潟大学医学部卒業。精神科医。佐久総合病院勤務を経て、東京大学精神科医師連合に参加後、東京大学精神医学教室助手に。現在、医療法人社団新新会多摩あおば病院に勤務。日本精神神経学会評議員。精神医療と法に関する委員会委員長
小谷野博[コヤノヒロシ]
1966年、東京都生まれ。東京国際大学教養学部卒業。臨床心理士、精神保健福祉士。大学在学中、東京大学医学部附属病院精神科病棟研修、都内精神病院研修を経て、卒業後、文京区文京保健所に勤務。現在、同保健所保健予防課主事。日本デイケア学会評議委員。全国精神保健福祉相談員会理事
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