内容説明
今回の共同研究の特色は、真宗学者とキリスト教神学者とが一堂に会し、宗学的・神学的に共通の課題に従事したという点にある。特に、800年にわたる浄土真宗本願寺派の宗学史上はじめての研究事業であるともいえよう。現代世界の多元主義的宗教観の視点に立って、国際的な場においては既に活発に行われている世界宗教対話の世界状況の中で、浄土真宗とキリスト教との創造的な対話への要請は緊急なる課題である。さらに、共同研究の独創性は、現実に各々の信仰をもった宗学者とキリスト教神学者とが、単に机上の学問研究に終わるものでもなく、また単に文献学的研究に始終するのでもなく、各々の宗教実践に基づいて営まれるものであって、そこに宗教対話を通して結果してくるであろう自らの創造的転換が期待される。
目次
宗教多元主義と真理証言―親鸞浄土教の課題
第1部 比較を超えて―宗教多元主義と宗教的真理(シンポジウム)(宗教多元主義と浄土教;神秘・宗教的象徴・宗教的多様性;浄土教とキリスト教―比較を超えて;宗教的真理は「多」か「一」か ほか)
第2部 浄土と神の国・阿弥陀仏とキリスト(ワークショップ)(現代における「神の国」というシンボルの解釈;阿弥陀仏とキリスト;親鸞の「阿弥陀仏とその浄土」の思想―ゴードン・D・カウフマンへのリスポンス;阿弥陀仏とキリスト―ジョン・B・カッブへのリスポンス ほか)
著者等紹介
武田龍精[タケダリュウセイ]
1969米国クレアモント神学院修士課程卒業。1973龍谷大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、龍谷大学文学部教授、文学博士
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