内容説明
この句集は、我鬼・芥川龍之介の句集・句稿・随筆・書簡・手帳・真蹟及び雑誌・新聞等からひろく俳句を蒐集収録したもので、これを四季及び季題別に、同一季題にあってはほぼ年代順に配列した。
感想・レビュー
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このみ
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芥川の雅号は我鬼。田端の自宅二階の書斎に「我鬼窟」の扁額を架けていた。後に「澄江堂」と架け替える。「新潮日本文学アルバム」の自筆色紙の俳句が達筆過ぎて読めず、この本で調べた。ほぼ芥川自選の「澄江堂句集」であった。不勉強で文人俳句というものを実感するところまではいかなかった。有名な「水涕や鼻の先だけ暮れ残る」の句は、雛の鼻を詠んだ写実的な句から作り直されているのだが、元がどうであれ芥川の心象を表していると思う。自分の鼻の頭に視線をやると自然と顎が持ち上がり、鼻持ちならない顔になるではないか。らしい、と思う。2015/09/01