内容説明
横光利一を熱愛する著者が、ユニークな視点から論ずるその人と作品。理解の深さと厳密な論証によって利一の深奥を解明し、既存の横光論に新たな視野をひらいた実証的研究の集大成。
目次
横光利一の虚構と体験―妻の死をめぐる諸作其他
横光利一の素赴志向―「鳥」と「機械」をめぐって
『書方草紙』と『覚書』―横光利一のひとつの転換
『上海』論の試み
『上海』論の構想
横光利一と〈革命〉
『寝園』論前提
自意識の構造―『上海』から『寝園』へ
横光利一「機械」再読
横光利一・初期の主題―愛と死と淋寂と
誤解の時代と横光利一―『文芸時代』を読む