出版社内容情報
「形象は思考を導き、人間の、文化の、歴史の(無)意識を可視化する」──。キリスト教文化のなかで「形象」はいかに息づいていたのか。画僧フラ・アンジェリコの作品を手がかりに、霊的修養、視覚的聖書註釈、幻視や予言などに関わる多彩なダイアグラムを解読。「芸術」のあり方を鋭く問い直し、イメージの歴史人類学に新たな扉を開く。『イメージの地層』(サントリー学芸賞ほか受賞作)以後の探究の到達点。
【目次】
序 章
第Ⅰ部 記憶の櫃
--「銀器収納棚」装飾とダイアグラム
第1章 「銀器収納棚」装飾
1 制作経緯
2 形式と図像プログラム
3 場と機能
第2章 「扉」としてのダイアグラム
1 「神秘の車輪」
2 「愛の法」
第3章 記憶術的概念図と視覚的聖書註釈
1 記憶術的概念図
2 「神秘の車輪」と円環図
3 「愛の法」と七枝の燭台
第4章 「キリスト伝」と古典的記憶術
1 グリッド(方形格子)式記憶術
2 古典的(建築的)記憶術
3 形象内の空白
補遺1 銀器収納棚の銘文
第Ⅱ部 魂の装飾
-- 心のなかに「絵」を描く
第1章 天の原型を計測する
1 古代修辞学的伝統からラテン教父の言説へ
2 寓意的建築の計測と逍遥
3 ユダヤ神秘主義と「天の車(メルカーバー)」
4 叡智の建築家
第2章 徳の伽藍
1 隠喩的建築とその絵画化
2 字義的形象/霊的形象
3 字義的計測/霊的計測
4 魂を装飾する形象
第Ⅲ部 観想への道と鳥瞰的風景
-- 可視性から不可視性へ
第1章 「発想術」としての観想における多様性
1 魂の歴程としての観想
2 観想への「道」と多様性
第2章 形象の彼岸
-- サン=ヴィクトルのフーゴーの「ノアの箱舟」
1 魂の建築
2 4つの箱舟と視覚的聖書註釈
3 箱舟を描く
4 箱舟の字義的および寓意的解釈
5 箱舟の転義的解釈
6 鳥瞰的風景と世界地図
7 箱舟の神秘的解釈
第3章 ヴェルチェッリの巻子本とフィオーレのヨアキムの終末論的予言
1 ミッシング・リンクとしてのヴェルチェッリ写本群
2 フィオーレのヨアキムの終末論的予言と形象の残響
補遺2 エクレシア巻子本の銘文
第4章 啓示と形象
-- オピキヌス・デ・カネストリスの宇宙論的素描
1 神の啓示を描く
2 心の行程と3つの視像
3 神の記憶痕跡を求めて
第Ⅳ部 形象と無形象
-- サン・マルコ修道院ドルミトリオの白と闇
第1章 中世キリスト教における「形象」と「非類似」
第2章 サン・
内容説明
キリスト教文化のなかで「形象」はいかに息づいていたのか。画僧フラ・アンジェリコの作品を手がかりに、霊的修養、視覚的聖書註釈、幻視や予言などに関わる多彩なダイアグラムを解読。「芸術」のあり方を鋭く問い直し、イメージの歴史人類学に新たな扉を開く。イメージの臨界へ。
目次
序章
第1部 記憶の櫃―「銀器収納棚」装飾とダイアグラム(「銀器収納棚」装飾;「扉」としてのダイアグラム;記憶術的概念図と視覚的聖書註釈;「キリスト伝」と古典的記憶術;補遺1 銀器収納棚の銘文)
第2部 魂の装飾―心のなかに「絵」を描く(天の原型を計測する;徳の伽藍)
第3部 観想への道と鳥瞰的風景―可視性から不可視性へ(「発想術」としての観想における多様性;形象の彼岸―サン=ヴィクトルのフーゴーの「ノアの箱舟」;ヴェルチェッリの巻子本とフィオーレのヨアキムの終末論的予言;補遺2 「エクレシア」巻子本の銘文;啓示と形象―オピキヌス・デ・カニストリスの宇宙論的素描)
第4部 形象と無形象―サン・マルコ修道院ドルミトリオの白と闇(中世キリスト教における「形象」と「非類似」;サン・マルコ修道院ドルミトリオ壁画制作;非類似の形象;無形象)
終章
著者等紹介
水野千依[ミズノチヨリ]
1967年、大阪府に生まれる。京都大学文学部卒業、フィレンツェ大学留学、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学、京都大学博士(人間・環境学)、日本学術振興会特別研究員、京都造形芸術大学教授などを経て、青山学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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